【インタビュー】「求援力」で仕事と子育てを両立

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今回インタビューにご協力してくださったのは、フルタイムのシフト勤務で施設管理や従業員管理のお仕事をされているTさんです。

Tさんは、同居のお母さんと協力し、ご自分が早番・遅番の時には別居の旦那さんにもかけつけてもらいながら、1歳11ヶ月のお子さんを育てていらっしゃいます。

初めての育休は不安いっぱいだったので、少しでも安心材料になれば…という思いから、インタビューにご協力くださいました。

プロフィール

【名前】Tさん
【ご自身のご職業】サービス業の施設管理、従業員管理
【お子さま】1歳11か月の女の子
【夫婦の育児・家事の分担内容】
Tさんのお母さんが同居、旦那さんとは別居しており基本的にはお母さんとの分担。
※Tさんがシフト(早番、遅番)の時には旦那さんにかけつけてもらう
Tさん:ごみ捨て、朝食づくり、朝食の片付け、登園準備、保育園に送る、夕食の片付け、保育園のお迎え、夕食づくり、寝かしつけ、子どもの入浴、浴槽・トイレ掃除
お母さん:お洗濯(回す、干す、たたむ)、部屋掃除(簡単なもの)
旦那さん:子どもの朝食、身支度、保育園送りもしくは迎え、夕食、入浴、寝かしつけ。家事はほとんどお願いしていない。

復帰前に、仕事内容の振り返りと復帰後にすべきことの優先順位を確認

ー勤務形態を教えてください!

施設管理、従業員管理、営業時間中の顧客対応をフルタイムのシフト勤務で行っています。日により業務の配分が変化するので基本的には忙しい方であると思います。

ー産休・育休期間は十分でしたか?

育休は保活のことを考えて、0歳児の方が保育園の枠をもらえる確率が高かったため年度末まで取得しました。

周りは個人の価値観により様々でした。

色んな心配をしないで済むならもっと一緒にいてあげたかったな…と思います。

ー産前産後に苦労したことや今思えばこうしておけばよかったのにと思うことはありますか?

苦労というか、産前も産後も一時的にうつ状態になったことがつらかったです。メンタルの勉強をしていたので大丈夫と思っていましたがふんばれなかったことを不甲斐なく感じました。

今思うと、負けず嫌いな性格が災いしたかもしれないと思います。夫も忙しいのだから、とか自分で産むと決めたのだから、などと自ら追い込んでしまっていたかもしれません。

爆発してから夫に話すより、些細なことかもしれなくても「今はこんな状態にある、こんな気持ちでいる」ということを夫に共有しておくことができればよかったなと思います。

ー復帰前に準備していたことは何ですか?

仕事については、産休前までの仕事内容の振り返りと、上司からの情報を整理して、復帰後にすべきこと(確認すべきこと)の優先順位を考えておきました。あと、通勤服…体型が戻らなかったのである程度買い足しが必要でした。

育児については、夫とは別居のため、どのような時にどうサポートしてほしいのかや、物理的な分担の確認をしました。(保育園や育児にかかる経費(オムツ、ミルク、洋服など)は夫の負担に、時間と労力は私の負担に分担。)

仕事を続けながら子育てするため、自分が職場の近くに転居することを決意

ー保活で工夫したことを教えてください。

お互い定年まで共働きをする決意でいたので、どのようにしたら今の仕事を続けながら子育てできるのかを考えていました。

職場まで夫は一時間強、私は二時間弱かかることに加え、夫も忙しい、私もシフトのフルタイム、両者の母と同居しているものの二人とも高齢のため多くのお世話は負担がかかり難しい…。

そこで、私が職場の近くに転居し、その近くの保育園に通うことにすればなんとかなるのではないかな、という結論に至り、妊娠初期に夫へ提案しました。夫の承諾を得て、出産4ヶ月後に部屋探しと契約を済ませて住民票も移しました。

この4ヶ月の間に、職場近くで保育園を利用している仲間から情報を得て攻略法を考えていました(在勤より在住が有利、とか既存より新設が入りやすい、など)

ー復帰前と復帰後で仕事内容は変わりましたか?

変わりありません。

まだまだ育児に関する制度が未熟な会社なので、私の職位では時短の制度も適用ならず(育児時間や看護休の制度は法規どおりありますが)、復帰してすぐフルタイムで働きましたし、1ヶ月後にはシフトに戻りました。

上司にも仲間にも恵まれておりマミートラックとおぼしき状況にはありません。

これまでの自分のやり方を押し付けず、新しいチームのやり方を聞いて進める

ー復帰後苦労したことは何ですか?

同じ仕事に復帰しましたがチームが変わったため、メンバーとのコミュニケーションの仕切り直しと業務の思い出しに苦戦しました。

シフトによる睡眠時間の確保もなかなかできませんでした。

ーどうやって克服しましたか?

同じ仕事ではあるものの、これまでのこちらのやり方を押し付けることより、新しいチームのやり方を聞いて進めるという風に自分を変化させることにしました。

コミュニケーションスタイルも同様にこれまで通りとせず、変えてみたりしました。

期待以上に頑張らなくてはというプレッシャーをかけることをやめる

ー復職後、仕事の進め方に変化はありましたか?

変わらないこととしては、その日に終えるべきことは後回しにせずなるべく前半に終えておきます。

変わったのは、自分自身の思うような形や結果にならずとも、任せられることはメンバーに丸投げと思われてもお任せするようになったことです。

ーあきらめたことはありますか?

仕事面では、手を抜くことはないですが期待以上に頑張らなくてはというプレッシャーをかけることをやめています。そのように続けられる方もいらっしゃるかもしれませんが、追い込むことで出来るはずのことも出来なくなっては本末転倒なので。

仕事外では、今は、自分のために使う時間というのはあまり考えないようにしています。タスクを考えて整理したところで、ペースが崩されること数知れず…。1日の中で最低限すべきことを1日の終わりに完了しておけるようにするとしています。

ーおすすめの子育てグッズを教えてください!

抱っこ紐はエルゴよりベビービョルンが使いやすかったです。子どもが動けないうちは、オートのユラリズムに助けられました。ベビーベッドは場所をとりますが、お掃除するときなど部屋中を動き回ってほしくないときに助かってます。

おしり拭きは、「グーン 肌にやさしいおしりふき」が水分量、厚みとも使いやすいです。おしり拭きケースは、冬はCombiのウォーマーを使ってますが、ペーパーを引き出しにくいです…。逆にOXO Tot ワイプスディスペンサー おしりふき ウェットティッシュ ケースは、温まらないですが使いやすいです。

ー旦那さんとの家事分担や、夫婦で分担するコツ、ルールなどを教えてください!

今は別居しているので、各々の自宅は各々でということにしています。

1つルールとしてお願いしていることは、私が早番シフトの日にはこちらに前泊して保育園へ送るようにしてもらうことです。遅番シフトの日には、お迎えから寝付かせまでしてもらってます。来てもらう日にはなるべく好物を手料理しておきます(笑)。

母の入院がきっかけでベビーシッターを利用

ーベビーシッターを利用したきっかけは何ですか?

きっかけは、同居してもらっている私の母が倒れて入院したことです。

夫が来られない、職場の仲間も都合がつかない状態だけれど、母の面会にはいかなくてはならない、となった時にどなたなら手を貸してもらえるだろうかと考えて決めました。(病棟に3歳以下の子どもは感染症予防のため入れない規程があったため)

ーファミリーサポートは利用しましたか?

ファミリーサポートは、私の母が子どものお世話(抱っこ、着替え、オムツ替え)をできる状態の時に利用させていただきました。

早番の日には保育園の送りのみ、遅番の日には保育園のお迎えのみお願いしていました。

ー利用頻度はどれくらいでしたか?

1ヶ月に1回程度でした。

ワーママとして働くことで、色々な選択肢を増やす可能性を広げられる

ーワーママとして、仕事をしていて良かったことは何ですか?

色んな選択肢を増やす可能性を広げられるのかなと思います。

また、困ったり迷ったりした時に、職場に行けば上司や仲間が励ましてくれるのは本当に心救われる思いです。

ー今後どんな風に過ごしていきたいですか?

キャリアとしては、今の部門を離れて、女性が働きやすい環境を整える施策に取り組める業務や育児に関連する業務についてみたいと思っています。

日常生活では、誰かと比べることなく、子どもや自分のペースやオリジナリティを大切に、心豊かに過ごせたらとなんとなく思っています。

ー最後に、育休復帰前、仕事と子育てを両立できるか不安なママさんへアドバイスをお願いします!

先輩ママさんたちを見て、「あんな風に活躍したい」と感じることも少なくないと思いますが、初めから上手に進められる方はいません。

「求援力(誰かに頼るチカラ)が大事、是非頼ってください」と私も上司から何度も声をかけていただき、なんとか一年過ごしてきました。

恐れず素直に周りを頼りながら前進してほしいなと思います。

【編集後記】
インタビューを担当した大学生の菅沼佑梨です。
仕事を続けながら子育てをするために旦那さんと離れて職場の近くに転居するというのは、勇気の要ることだと思いますが、遅番・早番・遅番の時には旦那さんが来てお子さまのお世話をするなど、離れていてもお互い助け合いながら子育てをされていて、とても良い関係を築かれていらっしゃると思いました。
旦那さんに家に来てもらう日は、好物を手料理しておくというのも、素敵ですね。
「求援力」という言葉を聞くのは初めてで、印象に残りました。
私も、周囲の人を頼りながら、成長していきたいです!

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