保育士が教えます!公園から帰りたがらない時の声の対処法
お子さまは公園が大好き。だからこそ帰り際にはいつも「帰りたくなーい!」「もっと遊びたい!!」ともなってしまいがち。公園から帰りたがらないお子さまは、保護者さまの悩みのひとつではないでしょうか。
せっかくの楽しい公園遊び、お子さまと格闘せず帰るには事前準備がおすすめです。事前準備とはわかりやすく言うと、「公園から帰る時のお約束」のこと。
お約束をしてから遊ぶ習慣を身につけると、次第にスムーズに帰れるようになります。
公園から帰りたがらない時のお子さまの気持ちと合わせて、スムーズに帰れるようなお約束の仕方、コツについて保育士が解説します。言ってはいけないNGな声かけも合わせてご紹介します。
公園から帰りたくない気持ち
「公園から帰りたくない!」お子さまと、「そろそろ帰りたい」ママ・パパ。
お子さまの気持ちは?
お子さまが公園から帰りたがらないのは、決してワガママだからではありません。お子さまの理由を考えていました。
2歳ごろ
イヤイヤ期と重なることが多い2歳前後のお子さま。「帰りたくない」と大泣きしているのはこの時期が多いかもしれません。
2歳になると体がたくさん動かせるようになり、外遊びの楽しさも覚えたばかり。特に公園の遊具は魅力的で、夢中になって遊ぶ姿がみられるでしょう。
自分の気持ちが最優先!の時期なので、帰り際に「もっと遊びたい!」と、ママパパを困らせることが多いかもしれません。
3歳ごろ
イヤイヤ期の言動も落ち着いてくる3歳前後のお子さま。大人の話すことへの理解度が増しますが、まだまだ自分の気持ちや感情が優先される年齢です。急に「帰ろう」と言われたり、突発的な状況だと我慢できず「いや!」「まだ遊びたい!」となりがちです。
4~5歳ごろ
本音は「まだ遊びたい」と思っていても、状況を理解して少しずつ我慢ができるようになってきます。
でも、お友だちが遊んでいたら「僕も(私も)一緒に遊びたい」と感じるお年頃でもあります。自分ひとりなら、公園から帰る理由を理解し、渋々立ち去ることができますが、お友だちが遊んでいる時は「僕も(私も)まだ遊んでいいでしょ?」とママパパに尋ねてくるかも。お友だちと同じ時間に帰る約束をしておくとスムーズです。
ママパパの本音
ママパパが「早く帰りたい」と思うのはおそらく
- この後、買い物などの予定がある
- 帰宅してからやることがたくさん
- 早めに夕食などの準備に取り掛かりたい
- 下の子・上の子の帰宅や予定がある
- 遅くなってしまうと寝るまでの予定が全部ずれ込んでしまう
- 暑い、寒い、暗くなる、蚊が出てきた、日焼けが…など気温や天気が気になる
こうしたことが理由にあるのではないでしょうか。家事や育児、あるいはお仕事やほかのきょうだいのお世話など、ママパパにも早めに帰らればならない事情があるのも当たり前。ある程度お話しが理解できる年齢になったら、こうした気持ちや事情をお話してもよいかもしれません。
公園から帰りたがらない!への声かけ5つ
公園から帰りたがらないお子さまが、スムーズに帰れるような声かけやコツ・対処法についてお伝えします。保育園でも実践しているものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
楽しい気持ちに共感!
お子さまにとって公園はパラダイス!帰りたくなくて泣いてしまうほど「楽しい場所」です。まずはその気持ちに共感し、お子さまの気持ちを代弁してあげましょう。
「遊ぶの楽しいね」「帰りたくないのはわかるけど、暗くなるから帰ろうね」
お子さまは、自分の気持ちを受け止めてもらって初めて行動に移すことができるもの。ママパパが共感したことを言葉にし、促していきましょう。
この後楽しいことがあるとおしらせする
夢中になって遊んでいる時に「帰ろう」と言われても、「わかった」とすぐに納得できるお子さまは少数派ではないでしょうか。
お子さまに共感しつつ、「この後は別のお楽しみがある」ことを伝えるとスムーズに帰れることが多いです。
例えば、「おうちでおやつの時間がまっている」「おばあちゃまに会える」など帰宅後のお楽しみから、「いつもと違うルートで帰宅する」「途中のスーパーでお買い物する」「虫探しをしながら帰る」など、道中のワクワクもお子さまにとって魅力的な提案になります。
選択肢があると選んでしまう
「◯◯と△△どっちにする?」
イヤイヤしたりグズっている時は、二者択一にするのが意外と効果的。
お子さまは自分で選ぶと納得でき、次の行動に移しやすくなります。
公園から帰りたがらない時なら、「どっちの道から帰る?」「おやつは◯◯と△△どっちがいい?→◯◯ね、じゃあおうちに帰って食べようか」と次の選択肢を、お子さま自身が選ぶことによって納得し、公園に未練がなくなる…というイメージです。
さよならの儀式で締めくくる!
- あと3回すべり台を楽しむ
- 好きな遊具に「バイバイタッチ」をする
- 10数えたら「おしまい」にする
など、遊び始める時にあらかじめ「さよなら」の儀式を決めておきましょう。それでも最初のうちは、事前に決めていても帰り際になると、「やっぱり帰りたくない」というお子さまが多いと思います。しかし、何度も繰り返すことで習慣化し、スムーズに帰れるようになります。
「あと1回でおしまいね」や数字で伝える
帰る時間が近づいてきたら、事前に「あと1回でおしまいね」や「時計の針が6になったらおしまいね」など、数字で伝えるのもわかりやすいです。
「時計の針が…」は保育園でお子さまと約束する時にもよくお話しする方法です。4歳前後になり数字や時計に興味が出てきたお子さまには、わかりやすいのでおすすめです。
「あと1回」は低年齢のお子さまから使える魔法の言葉。
どちらの言葉も「やだ」「帰りたくない」のセリフの後に使うことで、遊びが延長されたと感じる効果があり、気持ちに余裕が生まれます。
こんな声かけや言動は逆効果!NG集
大人がつい言ってしまいがちなセリフのうち、お子さまには逆効果のNG言葉があります。言えばお子さまがあわてて行動してくれるので「効果がある!」と思いがちですが実は下記のようなお子さまを慌てさせたり、怖い思いをさせて帰らせること、物で釣ること、強引なやり方や言葉はおすすめできません。
「置いていっちゃうよ」
「帰らないなら、ママ先に帰る。置いていっちゃうよ。」
「オバケがくるよ」
「暗くなると、こわいおじさんが来るよ」
「◯◯買ってあげるから」
「ごはんはナシね」
無理矢理引っ張る
まとめ
お子さまが公園から帰りたがらない時の、コツや対処法についてお伝えしました。
お子さまの年齢や理解度によって、声かけや対処法は多少変わりますが、大切なのは「遊ぶ前のお約束」と「公園で遊ぶのが楽しい」というお子さまの気持ちに共感することです。
お子さまは、共感してくれた相手の言うことは素直に聞き入れてくれるもの。もちろん、その時の感情で「やだ!もっと遊びたい」と帰りたがらないことはありますが、共感していれば徐々に納得してくれるでしょう。
何度も繰り返し実践し、積み重ねることで徐々に公園から帰れるようになります。
「毎回なかなか帰れないから公園に行きたくない」と感じてしまうことも。しかし、公園が大好きなお子さまのためにも、めげずに何度も声かけをしてみてください。
お伝えしたコツや対処法は、公園から帰るときだけではなく色々な場面に応用できます。ぜひ実践してみてくださいね。
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横森さや
認可保育園で13年働いていた保育士。ベビーシッター、家事代行経験もあり。2児の母でワーママとして頑張るライター。
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