ママパパに調査!子どもの新型コロナ感染、いま不安なことは?
新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら子どもが感染する事例も増えています。保育所の臨時休園などもあり、感染対策が長期化する中、保護者のかたは不安が募るばかりではないでしょうか。
ポピンズシッターでは、ご利用いただいている皆さまに、子どもの新型コロナウイルス感染症に関するアンケートを実施***(2021年9月実施)。みなさんの不安について伺いました。
子どもの感染数はどのくらい?
厚生労働省のサイトに掲載されている年齢別感染者数*では、陽性者数1,937,022人のうち10歳未満は11,0353人、10代は207,057人と報告されています。
感染者数が増えるとともに、子どもの陽性者数も増加しています。死亡者数は全体で18,436人 、10歳未満0人、10代で4人です*。臨時休園している保育所等の数は、全国で327**園でオミクロン株流行により、昨年より大幅に増えました。
*2022年1月18日時点 **2022年1月20日時点
お子さまの新型コロナウイルス感染について不安に思っていることは?
アンケートの中で、「お子さまの新型コロナウイルス感染について不安に思っていることをお聞かせください」という質問をしたところ、保育園での感染を心配する声が多かったです。
保育園でコロナをもらってきてしまうのではないかと心配
(0歳と3歳のママ)
保育園内でクラスターが起きないかどうか心配
(0歳と3歳のママ)
新型コロナウイルスはどのようにして感染する?
新型コロナウイルス感染症の感染経路は、主に飛沫感染と接触感染だと言われています。閉鎖された空間で、近距離で多くの人と会話をすると、咳やくしゃみなどの症状がなくても、感染を拡大させるリスクがあります。
飛沫感染:咳やくしゃみなどと一緒にウイルスが放出されること。
接触感染:感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後に、その手で周りのものに触れるとウイルスがつきます。他の人がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ることにより粘膜から感染すると言われています。
新型コロナウイルスは、自分自身で増えることはできませんが、粘膜などの細胞に付着して入り込むと、増えることができます。
ウイルスは、健康的な皮膚には入り込むことができずに表面に付着するだけだと言われており、ものの表面に付着したウイルスは時間がたてば壊れてしまいますが、ものの種類によっては、24時間から72時間くらいは感染する力を持つと言われています。
子どもたちはどこで新型コロナウイルスに感染する?
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年9月16日)、厚生労働省が感染者情報を管理するシステムHER-SYSデータによると、感染場所が分かる3歳から5歳が新型コロナウイルスに感染した場所は、自宅が一番多いことがわかります。
8月のデータをみると、自宅で感染したのは、3歳から5歳で74.4%、6歳から18歳では74.9%です。家庭内感染が多いことからも分かるように、子どもたちへの感染を防ぐには、同居する大人たちの感染予防がとても大切になります。
9月の3歳から5歳の児童福祉施設(保育所など)での感染者数は、8月と比較すると増加しています。自宅での感染が一番多いのは変わらずですが、伝播性、感染性が高いデルタ株の流行により、保育所や幼稚園、学校、学童などによるクラスター(集団感染)が発生している例も見られるようになってきました。
新型コロナウイルスに関して寄せられた保護者の方の不安とは?
新型コロナウイルスに関して、様々な意見が飛び交っています。アンケートでは子どもの感染についての不安がたくさん寄せられました。
長男は喘息気味で、次男はまだ小さいので感染自体が不安です。
(3歳と0歳のママ)
0歳児の感染は10%重症化するという記事を読んで、(保育園に)通わせようかどうしようか悩み中
(0歳のママ)
感染して重症化しないか、後遺症が残らないか
(3歳と6歳のママ)
もしも子どもが感染してしまったら?
子どもの感染、症状は?
子どもの感染者数は大人と比べると少ないですが、感染のしやすさは大人と変わらないことがわかってきたそうです。発熱、乾いた咳などの症状に加え、一部の患者では、嘔吐や腹痛、下痢などの消化器症状も認めるようです。大人と同じように、発熱が続くと肺炎になる例も報告されています。味覚や嗅覚の異常は子供では少ないようですが、症状を訴えることができる10代の患者さんでは報告があるようです。
子どもたちは新型コロナウイルス感染症で重症化しやすい?
新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方だと言われています。30歳代と比較した場合の重症化率は10歳未満で0.5倍です。
乳幼児・小児は成人と比較すると新型コロナウイルスに感染した事例が少なく、そのほとんどが無症状や軽症者です。しかし、成人同様に呼吸状態が悪くなることもあります。2歳未満の子どもは比較的重くなる傾向があり注意が必要です。
(出典)2021年9月版新型コロナウルス感染症の“いま”に関する11の知識(京都大学西浦教授提供データ及び新型コロナウイルス感染症診療の手引き・第5.3版に基づき厚生労働省にて作成したもの)より引用
母乳や授乳を介して乳幼児に感染する?
母乳を介して新型コロナウイルスが乳児に感染するリスクは低いと考えられています。しかし、母乳中に検出されたという報告もあるようです。授乳時には、接触や飛沫感染のリスクもあります。厚生労働省のホームページでは、母親が新型コロナウイルスに感染した場合、以下の方法での授乳を紹介しています。
- 直接母乳:授乳前の確実な手洗いと消毒、マスクを着用して授乳をする
- 搾乳:手洗い、消毒後に搾乳をして、感染していない介護者による授乳を行う
- 人工栄養:人工乳を授乳する
子どもたちはデルタ株、オミクロン株に感染しやすい?
変異ウイルスデルタ(B.1.617.2)は、インドで2020年末に見つかった変異ウイルスです。オミクロン株(B.1.1.529)は、2021年11月に命名された変異株で、南アフリカやイングランド、アメリカ合衆国ではデルタ株からオミクロン株の急速な置き換わりが報告されています。そのため、オミクロン株の国内輸入リスクは高まり、国内での感染例も報告されています。
オミクロン株では再感染のリスクが高まる可能性がある(過去にCOVED-19に感染したことのある人はオミクロン株で容易に再感染する可能性がある)と言われていますが、情報は限られています。
今のところ、変異ウイルスに感染した子どもが重症化しやすいかという正確なデータはないようです。感染者数が増えたことにより、子どもの事例も増えていると考えられています。基本的な感染対策を徹底していくことが、変異ウイルスへの対策にもなると考えられています。
その他、子どもの感染に関する情報は「日本小児科学会」サイトに詳しいQ&Aが掲載されています→
徹底が難しい子どもの感染対策
子どもたちに感染対策を促しても、それを徹底することは難しいという現状があります。アンケートでもこんな回答が寄せられました。
「集団生活で、子供はマスクをしなくて常に距離が近いので心配」
(0歳と2歳のママ)
「子どもが罹患して重症化するケースがあるようなので、ワクチンを打てない年齢のため、心配している」
(3歳と9歳と14歳のママ)
「外出先であちこちペタペタさわるためもらってこないか心配」
(5歳と1歳のママ)
子どものマスクの着用はどうすれば?
子どものマスク着用に関しては、WHOでは5歳以下のマスク着用を義務付けるべきではないとしています。厚生労働省は、2歳以下の着用は、窒息や熱中症のリスクがあることから推奨しないこと、また2歳以上であっても周囲の大人が子どもの体調に充分注意を払った上で着用することとしています。本人の調子が悪かったり、持続的なマスクの着用が難しい場合は、無理して着用させる必要はありません。
日本小児科医会では、「2歳未満の子どもにマスクは不要、むしろ危険!」と啓発しています。乳幼児のマスク使用では、下記のことが心配です。
・乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いので、マスクは呼吸をしにくくさせ、呼吸や心臓への負担になる
・マスクそのものやおう吐物による窒息のリスクが高まる
・マスクによって熱がこもり、熱中症のリスクが高まる
・顔色や口唇色、表情の変化など、体調の異変への気づきが遅れる
日本小児科医会サイトより
子どもの患者の多くが家庭内において保護者からの感染なので、保護者の方が感染しないこと、感染した人から2メートル以上の距離を保つことが感染予防にもつながります。
手洗いによる感染症対策が最も有効
ウイルスに汚染されたおもちゃや本などに触れた手で口や鼻、目を触ると感染するので、予防策として重要なものは、手洗い等により手指を清潔に保つことです。
具体的には、石鹸を用いて流水による手洗いです。
石鹸を用いての手洗いは、コロナウイルスの膜を壊すことができるので有効です。ちょうど手洗いの習慣を身につけている子どもたちにとっては、石鹸と流水による手洗いを行うと良いでしょう。例え流水だけであったとしても、ウイルスを流すことができるため有効だそう。
手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで100/1に、石鹸などで10秒もみ洗いし、15秒流水ですすぐと1万分の1に減らせるそうです。手指消毒用アルコール(濃度70%以上95%以下のエタノール)も、石鹸と同様に脂肪の膜を壊すことにより感染力を失わせることができます。
モノに付着したウイルス対策
新型コロナウイルスの残存期間の研究では、プラスチックで3日、ステンレスでは2から3日、段ボールは24時間程度とされています。
保育所など、子どもが利用する施設等では、乳児はなんでも口に入れることを考慮しておもちゃを衛生的に保つような工夫が行われているはずです。おもちゃの消毒方法としては、下記の表にある方法が紹介されています。
「保育現場のための新型コロナウイルス感染症対応ガイドブック」(全国保育園保育士看護師連絡会)より引用
おもちゃの消毒は、消毒液を振りかけるだけでは不十分で、おもちゃを消毒液で拭いてあげるのがよいそうです。次亜塩素酸ナトリウムの濃度は新型コロナウイルス感染対策では0.05%とされていますが、地域で感染が拡大していない場合、高い濃度で消毒することは健康被害にもつながるようなので注意しましょう。
気になる!子どものワクチン接種
現在、ワクチンの対象者は、接種の日に満12歳以上の方となっています。現在ファイザー社のワクチン及び、武田/モデルナ社のワクチンが接種対象です(2021年10月現在)。
接種完了者が増え、国内でも、小児に対するワクチン接種後の副反応疑い報告がみられるようになってきました。国内の医療関係者約2万人へのワクチン接種後の重点的調査(コホート調査)から、接種部位の疼痛等の出現頻度が高く、若年者の方が高齢者より接種後に発熱、全身倦怠感、頭痛等の全身反応を認める割合が高いことが明らかになっています。
非常に稀ですが、10代から30代においてワクチンを接種した後に、「心筋炎」や「心外膜炎」の副反応が報告されています。1回目より2回目の接種後に起こることが多く、ほとんどが軽症で治療に反応し回復しているとの報告があります。コロナワクチン接種後、数日以内に胸の痛み、息苦しさ、動悸などが生じた場合は、心筋炎の可能性も考えてすぐに医療機関を受診しましょう。
日本小児科学会では、「子どもへのワクチン接種は先行する成人への接種状況を踏まえて慎重に実施されることが望ましく、また、接種にあたってはメリット(感染拡大予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分に理解していること、接種前・中・後におけるきめ細やかな対応が必要」としています。
ファイザー社とモデルナ社ともに生後6ヶ月以上11歳以下の子供に対して臨床試験を行なっているようです。今後、接種の対象年齢が広がる可能性もあります。
実際に、お子さんはどんな感染対策をしている?
今回のアンケートでは、「お子様を新型コロナウイルスに感染させないため、日ごろどのような感染対策を行っているか」というアンケートも行いました。結果は下記の通りです。手洗いやマスク、手指の消毒、換気、人混みに連れて行かないなどの感染対策に、多くの回答をいただきました。
その他、「公園や児童館を避ける」、「友達と遊ぶ頻度を減らす」と答えてくださった方も多く、保護者の方々や、子どもたちの心のケアも心配になります。長期化する新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの保護者の方がストレスを感じているのではないでしょうか。保護者の方々は、不確かな状況の中で子どもや家族を感染から守らなくてはならず、一方で経済的な活動は続けていかなければならない狭間にいます。
育児の悩みは、ひとりで抱え込まないようにしましょう。誰かに聞いてもらうだけでも、心が軽くなることもあるはずです。
集団保育が心配な時は、個別保育でベビーシッターにお願いするという選択肢も。また、新型コロナウイルス関係の「ベビーシッター利用支援事業」も活用してみてください。
子どものための感染対策は、何もかもやろうとすると親の方が疲れてしまいます。手洗い等で予防をする、密を避ける、家族みんながよく触れるところは除菌シートなどでこまめに拭く、大人がしっかりと感染対策をするなど、ポイントを押さえて対策を心がけましょう。
***2021年9月インターネット上でポピンズシッターに登録の保護者に対し実施。回答数101名。
保育園で感染者が出るたびに、自分の子がかかっていないか不安になる
(0歳と4歳のママ)