共働き夫婦のための家事分担のコツ

石山亜由美

かつては「男性は仕事、女性は家庭を守る」という認識がありました。しかし、近年は女性の生き方・働き方も多様化し、家事に対する男性と女性の役割や考え方にも変化が。

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共働きも当たり前になりましたが、共働きにより世帯収入のアップや生活の質が上がるといったメリットがある一方、お互いが仕事をしていても、家事が分担されずに偏ってしまい夫婦ケンカに発展する場合もあります。

実際、主としてママが料理や掃除などの家事をこなし、パパは仕事だけをするというご家庭も多いようです。つまり、ママに家事負担が大きくかかるという状況です。

さらに子どもがいる家庭では、ママがメインで子育てをする場合も多いでしょう。このように、家事と育児が負担になってくると、パパに対して苛立ちを抱えてしまうことにもつながります。

本来は妻・夫という立場は関係なく夫婦で協力して家事を分担することが大切。今回の記事では、家事分担の実態や分担するコツ、時短方法についてご紹介します。共働き夫婦の方は、ぜひ参考になさってください。

家事分担の実態

共働き世帯において、家事分担の問題はどのご家庭でも起きる可能性があります。多くは「どちらかに家事の負担が偏っていること」「家事に対する夫婦の認識の差」が原因となっているようです。

それぞれの問題について、家事分担の実態と併せてご紹介します。

家事分担の偏りによる不満

一般的に調理、洗たく、掃除など、毎日必要で時間がかかる家事はママが担当し、ゴミ出し、お風呂掃除などの比較的簡単な家事はパパが担当していることが多いのではないでしょうか。共働きの場合、ママが「自分ばかり大変」という思いが強くなってしまうかもしれません。

それぞれが家事に対して、どの程度満足しているのかという点も大切です。たとえば、複雑で面倒な家事をママが、容易な家事をパパが担当している場合は次のようなギャップがあります。

パパは「自分はやっている」と満足感があり、ママは「夫の家事はまだまだ足りない」と思っているケースも。

最も重要なことは、このような家事に対する認識の差を埋めることだと言えます。

参考:夫婦間の家事分担の満足度に温度差?! 共働き夫婦の家事シェア事情/マイナビニュース

家事の分類とは

ご夫婦が家事を分担する上で大切なことは、分担するべき家事の内容を具体的に考えることです。家事を大きく分ければ、「料理」「洗濯」「掃除」となります。さらに、「毎日行う家事」と「必要に応じて行う家事」もあります。

このように分類した上で、それぞれの家事にはどのような内容があるのか考えていきましょう。ここでは、家事の例について示します。

毎日・定期的に行う家事

毎日または定期的に行う家事として、「料理」「洗濯」「掃除」について分類します。

家事の内容
料理
  • 献立を考える
  • スーパーに食材を買い出し
  • お米を研ぎ、ごはんを炊く
  • 調理
  • 食後、片付けや洗い物
洗濯
  • 洗濯機を回す
  • 洗濯物を干す
  • 洗濯物をたたみ、しまう
掃除
  • ゴミ出し
  • 掃除機をかける
  • お風呂掃除
  • トイレ掃除

上記は大きな項目だけですが、さらに具体的に内容を書き出してみるのもよい方法です。

必要に応じて行う家事

家事の中には、「名の無い家事」と言われるものがあります。

内容
玄関まわり
  • くつを揃える
  • 玄関の泥などを落とす
  • 傘を片づける など
リビング
  • 新聞を片づける・たたむ
  • カーペットのゴミ取り
  • テレビ台のほこり取り など
キッチン・冷蔵庫など
  • シンク周りの除菌、漂白
  • スポンジ交換
  • 食器洗い洗剤の補充
  • コンロの汚れ取り
  • 炊飯器やオーブンレンジの掃除
  • 食材の期限切れチェック
  • 食事前後のテーブルを拭く
  • 換気扇の掃除 など
トイレ、お風呂場、洗面
  • 掃除用具の管理、補充
  • お風呂場の排水溝の掃除
  • 換気扇の掃除
  • シャンプー、ボディソープなどの補充
  • 歯ブラシや歯みがき粉の補充
  • トイレットペーパーの残数確認と補充
  • 水回りのカビ、水垢対策
洗濯
  • 洗剤の残量確認、補充
  • 洗濯物を干す場所を決める(家の中、外)
  • 洗濯物が乾いているか確認
  • 洗濯機の掃除、メンテナンス
寝室
  • シーツ、枕カバーの交換
  • 布団乾燥機、布団クリーナーで掃除
  • 布団を干す
  • 布団を整える

ご家庭によって、より具体的に書き出せるでしょう。

実際に名の無い家事は、当たり前のようにママが担当しているご家庭が多いです。パパはこれらを家事の一部として、捉えていない場合もあります。名の無い家事も含めて列挙し、共働きのご夫婦は目に見える形にしてから2人で分担することが大切です。

共働き世帯において家事を分担するコツ

共働き世帯の家事分担は、仕事の負担や帰宅時間、子どもの人数などによって決めていきます。決め方はご夫婦によりますが、家事分担するときのポイントについていくつか紹介します。

家事に必要な項目をリストアップする

第一にご家庭の状況に合わせて、「料理」「洗濯」「掃除」、名の無い家事について必要な項目をリストアップします。お二人で話し合い、一つずつ内容を洗い出していきます。

まずは出来るだけ具体的に洗い出すことで、その後の分担がスムーズにできます。

それぞれの得意・不得意を考える

さらには、家事だけに限らずママとパパそれぞれには得意、不得意があるでしょう。たとえばパパの方が料理が得意なら、パパの担当になるかもしれません。得意な方が担当した方が、ストレスなく家事ができます。

しかし、どちらも苦手な家事がある場合は、週替わりや月替わりで分担を変えると良いでしょう。

こだわりがある方が担当する

その家事にこだわりがある方が担当することで、スムーズにそして細かく家事ができます。たとえば掃除において、掃除機をかけるだけの場合もあれば、拭き掃除をする場合もあります。

また、こだわりがあるということは丁寧な家事が期待できます。その結果、お互いに不満が出ることなく生活できるようになります。

動きやすい時間に合わせて分担する

共働きのため、朝の出勤前や仕事から帰宅した時間帯以降の家事は役割分担しておきましょう。たとえば、次のような取り決め例があります。

  • 朝の出勤が、早い方がゴミ出しをする
  • 最後にお風呂を使った方が掃除をする
  • 早く帰宅した方が夕食を作る
  • 休日は一緒に買い出しに行く

また、子どもがいる家庭では、子育てと家事のバランスを見ながら分担することになります。たとえば、小さいお子さんがいる場合はトイレを汚す可能性があります。その都度、トイレのお世話をした方が掃除すれば良いでしょう。

つまりどちらか一方に家事と子育ての負担がかからないよう、しっかりと話し合うことが大切です。

家事の時短で負担を減らそう

しかし、家事を分担するとはいえ、「料理や掃除、洗濯に時間がかかる」「買い物に行かずにゆっくり休日は過ごしたい」という気持ちもあるでしょう。その場合、一緒に家事をすれば良いのかもしれませんが、お子さんがいる家庭では家事の時短が大切です。

ここでは、家事の時短で役立つ方法をいくつかご紹介します。

ネットスーパーを利用する

休日の買い物や不足した常備品の補充などは、ネットスーパーを利用すると便利です。ネットスーパーは、管理画面があるため、「いつ・何を・どのくらい」購入したか履歴を確認できます。

また、商品カゴに追加すると購入金額も分かるため、買いすぎの予防にもなります。配送日時を設定できるので、帰宅時間に合わせて配送してもらうと手間がかからないでしょう。

時短家電を使う

実際に家電は高額なものが多いですが、時間はお金に変えられません。もし、家事を時短し自分の時間やお子さんとの時間を増やしたいと思う場合は、一度購入を検討すると良いでしょう。

時短できる家電は、次のようなものがあります。

  • 食器洗い乾燥機
  • お掃除ロボット
  • 全自動洗濯機、乾燥機付き洗濯機
  • 電気調理鍋・電気圧力鍋
  • スチームオーブンレンジ
  • 低温調理器
  • ハンドブレンダー

このように、「料理」「掃除」「洗濯」において時短家電がたくさん売り出されています。

休日に1週間分の作り置きをしておく

さらに、仕事から帰り献立を考えて料理をすることは時間もかかり面倒でしょう。その場合は、休日に1週間分の作り置きをしておくことがおすすめです。

たくさんの品数を作り置きしておけば、毎日の夕食はバリエーションが豊富になります。さらに栄養バランスも考えられた食事を摂ることができるでしょう。

家事代行のサービスを利用する

働いていれば「繁忙期で家事ができない」、「たまにはゆっくり休みたい」という日もあるでしょう。そのような時は、家事代行を利用することがおすすめです。

家事代行ではサービス会社によって内容は異なりますが、ご家庭の状況に合わせた利用を考えてみましょう。

子育て世帯の共働き夫婦は協力して家事を行いましょう!

共働きの子育て世帯は、片方に家事の負担がかかる場合があります。また担当を決めたとしても、その通りに家事が行われるかどうかは、定かではありません。

まずはママ、パパお互いが家事を分担できるよう話し合い、感謝の気持ちを忘れずに生活しましょう。そして、家事の時短も検討しながら、チームとして協力し合って家事を行うことが大切です。

この記事は

石山亜由美

看護師・保健師
Webライターとして働く1児のママ。オンラインで健康相談やメンタルヘルスの相談のお仕事をしながら、医療・健康系の執筆を中心にWebライターとして活動中。

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