2人目妊娠、ベストなタイミングと気を付けること【保健師監修】

【監修・執筆】保健師:石山亜由美

「そろそろ2人目妊娠したいなぁ」と考えているママ・パパにとって、妊娠にベストなタイミングは気になるはず。上のお子様のことや環境、ご夫婦の仕事など気になることは解消し、安心した気持ちで妊娠することが望ましいでしょう。

ここでは、2人目妊娠のベストなタイミングや注意した方が良いことなど、保健師の視点から詳しくご紹介します。ご家庭の状況に合わせたタイミングで、妊娠の時期をご夫婦で考えてみましょう。

2人目妊娠、ベストなタイミング

2人目妊娠でベストなタイミングは、ご家庭の状況によって異なります。「2人目は何歳差がいい」「2人目まだ?」などの周りの意見に流されず、ご夫婦で話し合って一番良い時期を判断するのがよいでしょう。

上のお子様との年齢差

2人目妊娠中のママは、お腹の赤ちゃんを守るため身体に負担をかけられません。上の子の年齢によっては妊娠中に手がかかり、大変な思いをする場合もあるでしょう。

上のお子様との年齢差が少ないほど、手がかかる大変な時期が短くなるメリットがあります。

4~5歳ほどの年齢差は、上のお子様はイヤイヤ期も終わって、着替えや食事なども一人でできるようになっているため、妊娠中も比較的ゆっくり過ごせるでしょう。それ以上離れていると、上のお子様が積極的にママをお手伝いしてくれて助かった!ということもあるでしょう。

ママ・パパの年齢も考慮

晩婚・晩産化が進む日本では、第1子出生時の母親の平均年齢は30.7歳*です。あくまで平均ではありますが、昔に比べると2人目の妊娠時にママの年齢が高くなっている傾向があると言えます。個人差もありますが、やはり年齢が上がるとともに自然妊娠は難しくなり、2人目が欲しいタイミングに妊娠しづらくなっている可能性は否めません。

また、ママやパパの年齢次第では、身体的に子育てが辛くなるという状況も考えられます。一方で、ママやパパの年齢が上がるほど、一般的には収入や生活が安定しやすいともいえるでしょう。

(*内閣府「平成30年度版 少子化社会対策白書」より)

育休が取れるかなど仕事のタイミング

1人目の出産を終えて育休中のママや仕事復帰したママにとって、2人目の妊娠で連続して育休が取れるか、延長できるか職場に確認することが大切です。また、パパも育休が取れるようなら心強いでしょう。

このように、ママ・パパどちらも仕事との兼ね合いを見て、2人目の妊娠時期を考えると安心です。

経済的・環境的な問題を見極める

子どもを育てるためにはお金がかかる上に、核家族や共働きのご家庭では周囲のサポートが必要となるでしょう。

ご家庭によって状況は異なります。子育てにかけられる経済的なゆとりや、ママやパパが安心して子育てができる環境が整った状態で2人目妊娠できると安心でしょう。

1人目が帝王切開だったら、2人目の時期を医師に相談

1人目のお子様を帝王切開で出産した場合は、2人目妊娠による子宮破裂のリスクなどを踏まえ、いつ頃から2人目の妊娠が可能かどうか医師に相談することが大切です。

次の妊娠まで1年以上空けた方が良い場合や、帝王切開の傷に異常がない場合などママの身体によって個人差があります。安心・安全に妊娠できる時期を医師と相談し、家族計画を立てると良いでしょう。

2人目妊娠、ここが気になる!

妊娠や出産が2回目だとしても、2人目の妊娠は1人目とは状況が違います。ここでは、多くのママが2人目妊娠中に気になる4つのことについてお話します。

Q:ワンオペ育児中だけど2人目妊娠しても大丈夫?

パパが仕事で忙しくお子様が起きている時間はママだけだったり、パパが単身赴任で不在だったりとワンオペ育児のママも多いかもしれません。そのような状況で、2人目妊娠しても大丈夫なのか気になるところではないでしょうか。

ワンオペ中の2人目育児に不安な場合は、ママ・パパのご両親からのサポートや周囲の子育て支援サービスを利用してみると良いでしょう。上のお子様が安心して生活できて、ママと赤ちゃんの身体を守ることを優先させましょう。

Q:2回目だから“気持ちにゆとりが持てる”って本当?

妊娠・出産が2回目であり、一度経験している経過なので気持ちにゆとりが持てるのか気になることでしょう。

1人目の妊娠と全く同じ経過をたどるとは限りません。2回目の妊娠・出産だからラクチン!とはならないのです。それでも、つわりの辛さや体調の悪さ、陣痛や出産時の痛み、これから起こりうることを一度経験していることで、ママは少しゆとりを持って過ごすことができる部分もあるのかもしれません。

上のお子様のイベント・行事への参加はおこ

上のお子様が幼稚園や保育園に通っている場合、ママ・パパが参加するイベントや行事も数多くあります。そのような時、ママが妊娠中や小さな赤ちゃんがいる場合に大変に感じることもあるでしょう。お子様が楽しんでいる姿を見たいけれど、ご自身の身体も不安で気になってしまいます。

妊娠中や産後はママの体調を配慮しながら、パパが中心となって上のお子様のイベントや行事に参加するのがベターです。

仕事に復帰できるのが遅くなる?

2人目妊娠のタイミングによって、仕事復帰の時期も変わります。やりがいのある仕事だったり経済的にママも働く必要があったりと、できるだけ早く仕事復帰したいママもいるでしょう。

仕事復帰については2人目を計画する段階から、育休を取るかどうか保育園はいつから入れるかなど、おおよその時期を決めておくと安心できます。職場先の上司とも、しっかり相談しましょう。

2人目妊娠中の大変なこと・注意点

2人目妊娠中は、つわりや体調不良、大きくなるお腹で思うように行動できません。身体が重い上に、上のお子様の育児で無理もしがちです。

なかなか身体を休められない

妊娠中はつわりや身体のだるさ、足のむくみ、お腹の張りなど体調不良があり、ゆっくり休みたいはずです。それにもかかわらず、上の子の育児や家事をしなければならないので、横になりたいと思ってもなかなか休めなくなります。

1人目の妊娠とは違い、2人目の場合は上のお子さんとの生活もあるため、意識的に身体を休める時間を取るよう心がけましょう。

体重の管理が難しい

1人目のお子様の妊娠時は、ママはご自身の身体を考えた栄養バランスの整った食事を摂るように注意していたことでしょう。しかし、2人目の妊娠では、上のお子様のために栄養やカロリー満点の食事を作り、一緒に食べることも多いです。

お子様との食事では、自分の食事コントロールまで気が回らずに、短時間で多く食べすぎたりもあり、体重の管理が難しい場合があります。どちらかというと栄養不足よりも、栄養過多による体重増加を注意されるママが多いようです。

なお、妊婦さんは上のお子様の食べ残しを食べるのはやめましょう。「サイトメガロウイルス」の感染経路になる可能性があります。詳しくはこちら→

上の子がお腹に乗ってしまう

上のお子さんの年齢にもよりますが、とくに1~4歳頃はママやパパの身体に乗って遊ぶことが楽しい時期です。あまりにも小さい年齢であれば、「ママのお腹に乗ってダメだよ」と教えても、なかなか分かってもらえないかもしれません。

パパがいる時はパパが遊び相手になり、どうしてもママのお腹に乗りたいと言うなら、思いっきり抱きしめてあげると良いでしょう。また、お腹に赤ちゃんがいることを優しく伝えてあげることも大切です。

上の子にイライラしてしまう

妊娠中は、体調不良に併せて精神的にも不安定になりがちです。しっかりした睡眠が取れず疲れが溜まり、どうしても言う事を聞かない上のお子さんにイライラすることもあるでしょう。

ストレスを溜めることは、妊娠中の身体にも良くありません。パパや周囲の方のサポートを受けて、ママが一人でゆっくりと休めるように調整することも大切です。

妊娠中のママは、上のお子さんの育児や家事があっても無理をしてはいけません。しっかり身体を休めることが大切で、スムーズに妊娠期間を過ごせるように、ママ自身も注意して生活しましょう。

2人目不妊は意外と多い!?

妊娠を希望される場合は、2人目不妊の原因について知っておくことも大切です。

ここでは、考えられる2人目ならではの、不妊の主な原因について2点ご紹介します。

ママ・パパの年齢によるもの

1人目の妊娠が20代~30代前半で、順調に妊娠・出産を経過したママでも、2人目の妊娠が30代後半以降になってしまうことが。やはり年齢とともに自然に妊娠できる確率は下がってしまいます。

もちろん個人差があるので、ママの年齢だけが不妊の原因だとは言い切れません。妊娠・出産する女性の高齢化だけではなく、男性側の原因で不妊となるケースも多いものです。

仕事や育児の過度のストレスによるもの

ママが仕事や1人目の育児によって、過度なストレスを抱えることはよくあることです。

上のお子さんの育児や仕事復帰によって、ママの身体の疲れはなかなか取れないでしょう。過度なストレスははやり不妊を引き起こす可能性がないとは言えません。妊活する前からリラックスできる環境を整えることが大切です。

【2人目妊娠・出産】上の子の赤ちゃん返り・ケアや対策

2人目の妊娠・出産で、上のお子様は赤ちゃん返りをすることがあります。今まで独り占めしていたママが、赤ちゃんに付きっ切りでお世話していると、上のお子様は自分にも興味を持たせようとします。

たかが赤ちゃん返りだと思い適当に対応せずに、上のお子様の気持ちを考えた方法を取り入れてみましょう。

愛情をしっかり伝える

上のお子様は、「ママは自分にかまってくれない。もう好きじゃなくなったのかな」と不安です。ママの気を引くために赤ちゃん返りをします。

泣いたり駄々をこねたり、激しく赤ちゃん返りをしていたら、「ママはあなたのことも大好きだよ」と愛情をしっかり伝えてあげます。その時は赤ちゃんのお世話をしながらではなく、上のお子様と2人きりのときに向き合って伝えると、よりお子さんに愛情が伝わるでしょう。

十分に甘えさせてあげる

ママが赤ちゃんを抱っこしていたり母乳をあげていたりすると、上のお子様も抱っこを求めたり、膝の上に乗ってママが赤ちゃんを抱っこできないようにしたりします。

その場合は、上のお子様と赤ちゃんを同時に抱きしめてあげて、十分に甘えさせてあげることも大切です。

この記事は

【監修・執筆】保健師:石山亜由美

看護師・保健師
Webライターとして働く1児のママ。オンラインで健康相談やメンタルヘルスの相談のお仕事をしながら、医療・健康系の執筆を中心にWebライターとして活動中。

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