【保健師監修】新生児の外出はいつから?理由や注意点、持ち物リストやお出かけのコツを紹介
出産してから、ママはご自身の体を休めながら赤ちゃんのお世話をして過ごします。そのような中でも、買い物したり兄弟を幼稚園に送迎したりとママが外出する必要がある場合や、お散歩で赤ちゃんを世界を見せてあげたいと思うママは多いです。
ここでは、新生児のお子さまと、いつから外出できるのか知りたいママに向けて、外出の方法や注意点、用意したいものについて解説します。
赤ちゃんのお散歩デビューを楽しめるよう、ぜひ参考になさってください。
新生児のお散歩デビューはいつからOK?
新生児がお外に出られるようになるのは、基本的に1ヶ月健診の日からになります。赤ちゃんの全身状態を、1ヶ月健診で医師はていねいに診察します。そこで大きな問題もなく、医師から外出OKが出たら、ようやくお散歩デビューです。少しずつ外の空気に慣れさせていきましょう。
ただし、1ヶ月健診を受ける前にママがどうしても買い物に出かけたり、赤ちゃんのお兄ちゃん・お姉ちゃんを幼稚園や保育園に送っていく必要があったりと、ご家庭によってはママが外出しないと生活に支障が出る場合もあります。そのような場合、パパや家族の協力を得て、ママの体の回復にも注意しながら、無理のない範囲で外出をすることはやむを得ないでしょう。
最初は「外気浴」からスタート!その理由とは?
家の中で過ごしていた赤ちゃんを、いきなり長時間人混みの中に連れて行くことは好ましくありません。最初は「外気浴」を1日15分程度から始めてみましょう。
外気浴は、まずはご自宅の窓を開けて、外の空気を室内に取り込んで行います。そして徐々に玄関や家の周りなど、少しずつお散歩する時間や距離を延ばし、赤ちゃんを外の気温に慣れさせることが大切です。
では、なぜ外気浴からスタートするといいのでしょう。ここでは、4つの理由をご紹介します。
皮膚への刺激や体温調整で気温の変化に慣れる
外気浴を始める前の赤ちゃんは、暖かなお部屋(最適といわれているのは、室温が20~25℃程度、湿度は50~60%前後)で過ごすことがほとんどです。そのため、温度の変化は赤ちゃんにとって刺激的なことなのです。
外気浴は肌で風そのものを感じたり、外の空気の冷たさや温かさを感じたりできます。その皮膚への刺激が、赤ちゃんの体温調節機能を促し、気温の変化に適応できる体を作ります。
外にいる時間を徐々に延ばしていくことで、赤ちゃんは自分の力で夏や冬の気温に慣れていくことでしょう。
昼夜の生活リズムを整える
外気浴は気温だけではなく、太陽の光によって外が明るくなったり薄暗くなったりする様子を感じられます。室内で過ごすよりも、昼や夜の区別がつきやすくなります。
赤ちゃんは、少しずつ昼と夜が分かるように成長しています。日の光が出ている爽やかな時間帯にお散歩をして、夜は部屋をしっかり暗くして静かな家の中で過ごすことが大切です。昼は起きて遊ぶ時間、夜は静かにゆっくりと休む時間だということを、お散歩をとおして体に覚えさせてあげましょう。
五感を刺激する
新生児は、まだ視力などはっきりしているわけではありません。それでも、赤ちゃんは見ること、聞くこと、肌で感じることで外から多くの刺激を受けています。外気浴によって五感に刺激を受け、いろいろな機能が発達していきます。
お散歩に出かけて風の感触や草木が揺れる音、花の香りなどの自然を感じたり、車の走る音や人の話し声などのさまざまな音を赤ちゃんに感じてもらいましょう。
ビタミンDの産生を促す
外気浴や軽いお散歩によって、赤ちゃんは日光を浴びることになります。日光に浴びると体内にビタミンDが産生され、赤ちゃんが発症しやすい「くる病(骨の強度が低下する症状)」を予防できます。ビタミンDは食べ物からも取れますが、日光が浴びられるお散歩も大切なのです。
強い日差しがあるシーズンや時間帯、気温が高すぎる日のお散歩は避けた方がいいですが、心地よいシーズンではぜひ積極的に外気浴を取り入れましょう。
赤ちゃんとの外出で注意したいこと
新生児の外気浴や軽いお散歩が慣れてくると、いろいろな場所に行きたくなります。しかし、長時間の外出や人混みが多い場所への旅行などは、赤ちゃんの体がもう少し外出に慣れるまで無理してはいけません。
ここでは、赤ちゃんとの外出で注意した方がいいこと・お出かけのコツを詳しく解説します。
外出は短時間から徐々に慣れる
赤ちゃんの外出は、まずは短時間から始めましょう。いきなり長時間外出すると、まだ体力がついていない赤ちゃんの体に大きな負担がかかります。
ママやパパが外出するときは、大人の都合で連れ出さずに赤ちゃんを優先させて外出しましょう。少しずつ外出を慣れさせれば、いずれ家族でいろいろな場所にお出かけできるようになります。
温度差や日焼けには注意する
赤ちゃんにとって、気温の変化を感じ日光によってビタミンDを産生させることは大切です。しかし、まだ小さな新生児の赤ちゃんは、体温の調整が上手にできません。また、赤ちゃんにとって過度な日焼けは皮膚に病変をもたらす場合もあります。
室内と外の気温差ができるだけ少ない時間帯を選び、日焼け止めや日よけなどの対策をしてから外出しましょう。
人混みを避ける
赤ちゃんは免疫力がついていないため、ウイルスや細菌に感染しやすい状態です。人混みの中は、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなど、多く浮遊しています。
月齢が低いうちはとくに、できるだけ混雑している場所や時間帯をさけて、ゆったりと過ごしましょう。
生活リズムを大切に赤ちゃんの機嫌が良いタイミングで
新生児の時期は、赤ちゃんの生活リズムを整えることを大切にする時期です。大人の用事で赤ちゃんと外出することは構いませんが、赤ちゃんの機嫌が良く落ち着いているタイミングで外出しましょう。
赤ちゃんにとってタイミングが悪いときに外出すると、外出先でぐずったり泣いたりとママやパパが大変な思いをすることも考えられます。
しっかりと外出前の下準備をする
赤ちゃんと外出する場合には、しっかり下準備をすると安心です。事前に準備をした方がよいことは、次のとおりです。
- 母乳やミルクを飲ませておく
(お腹がすいている状態で外出しない) - オムツを変えておく
- 授乳室やオムツ替え室の有無を調べておく
- できればエレベーターの有無なども確認
下準備をすることで、落ち着いて赤ちゃんと外出を楽しめるでしょう。
月齢の低い赤ちゃんとの外出!用意したい持ち物リスト
外出先では、ご自宅のようにすぐに必要なものが準備できるわけではありません。月齢の低い赤ちゃんと安心して外出できるよう、用意したい持ち物をまとめました。外出先や赤ちゃんの状況に応じて、必要な枚数・量を調整しましょう。
- オムツ用品(オムツ数枚、おしり拭き、オムツ替えシート、ゴミ袋など)
- 授乳用品(哺乳瓶、ミルク、授乳ケープ、白湯など)
- 着替え用品(肌着、靴下、上下の服を1セット)
- ガーゼやタオル
- ビニール袋
- 抱っこひも、またはベビーカー
- 母子手帳や保険証など
- お気に入りの絵本やおもちゃ
- アルコールスプレーや除菌シート
- 帽子
外出先で、「オムツが濡れて不快」「お腹が空いた」「服が汚れて不快」で泣いてしまう赤ちゃんに対して、しっかり準備をしていれば焦らず対応できます。
母子手帳や保険証、診察券を持ち歩けば、外出先で何かあった際はすぐに病院に行くことが可能です。インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症が流行している時期は、アルコールスプレーや除菌シートを持参し、赤ちゃんが触れる場所やママやパパが赤ちゃんに触れる前に除菌しましょう。
また、少し月齢が大きくなってきたら、赤ちゃんがお気に入りの絵本やおもちゃがあれば、ぐずった時や待ち時間がある時も、赤ちゃんをあやすことができます。行く場所やお子さまの状況に合わせて、持ち物を確認してみましょう。
注意点を守り赤ちゃんと楽しい外出にしましょう!
赤ちゃんの1ヵ月健診が終われば、外気浴と気軽なお散歩デビューです。ここでは、新生児がお散歩できる時期や外気浴からスタートすると良い理由についてご紹介しました。
新生児にとって外気浴は赤ちゃんの成長と発達に効果的であり、ママやパパの気分転換にもつながります。赤ちゃんとの外出では赤ちゃんの生活を最優先にして、しっかりと下準備を行いましょう。そして、赤ちゃんが安心・安全に外出できるよう注意点を参考に、赤ちゃんのお散歩デビューを楽しんでください。
【監修・執筆】保健師:石山亜由美
看護師・保健師
Webライターとして働く1児のママ。オンラインで健康相談やメンタルヘルスの相談のお仕事をしながら、医療・健康系の執筆を中心にWebライターとして活動中。