はじめて応援だより:1月号
ポピンズシッター:きょうこ
1月号では『0歳児の特徴』と『簡単な手作りおもちゃ』などについてお届けします。
今月号のラインナップはこちらです。
【0歳児:虎の巻】保育の前に確認したい、成長の段階と安全へのポイント
年齢・月齢別のお子さまの成長の特徴や留意したいことを少しずつご紹介しております。今月は「0歳児の虎の巻」です。
生まれて間もない0歳児の赤ちゃんは身体の機能や発達もまだまだ未熟。0歳児のお預かりの際は、0歳ならではの特徴を知ったうえで保育をすることが大切です。
【生後すぐ~】睡眠は5分ごとにチェック
0歳児の赤ちゃんは、SIDSの危険性がもっとも高い時期です。
SIDSとは「乳幼児突然死症候群(SuddenInfantDeathSyndrome)」のことで、今まで健康で元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然死してしまう病気です。原因などはまだよくわかっていませんが、特に生後2~6ヶ月ごろの赤ちゃんに多いとされています。
SIDSを防ぐポイント!
- 仰向けで寝かせる
- 5分置きに赤ちゃんの呼吸・姿勢・状態を確認
【生後すぐ~】思いがけない窒息が起こります
0歳児は、窒息事故が多い時期でもあります。低月齢の赤ちゃんはとくに、何かが鼻や口にかかってしまっても自分で手を動かして取り除けず、窒息してしまう可能性があります。眠っている赤ちゃんの周りには「物」を置かないようにしましょう。
ミルク後のはき戻しが窒息の原因にもなりますので、ゲップが出ない場合は横向きに寝かせましょう。
【寝返り・4ヶ月ごろ~】ベッドやソファからの転落に注意
0歳児の赤ちゃんに多い事故のひとつに、ベッドやソファからの転落があります。赤ちゃんをベビーベッドに寝かせる時は必ず柵を上げましょう。また、ソファなどに寝かせる場合は、その場を離れてはいけません。
【物がつかめる・5ヶ月ごろ~】誤飲に注意
物がつかめるようになった赤ちゃんで特に注意したいのは「誤飲」による事故です。
生後5ヶ月〜6ヶ月頃からは、手にしたものは何でも口に入れるようになります。赤ちゃんはノドも狭く押し出す力も弱いため、口にしたものがとても詰まりやすいです。赤ちゃんの行動範囲には、誤飲につながる物を置かないようにしましょう。
トイレットペーパーの芯の太さを思い浮かべていただいて、芯よりも小さいものは赤ちゃんの誤飲につながる可能性があるサイズと覚えておきましょう。
【おすわり・6ヶ月ごろ~】転倒に注意
一般的に6ヶ月を過ぎると少しずつ腰が座ってきて、座れるようになります。とはいえ、まだ筋肉の発達も弱く、赤ちゃんは頭が重たいのでバランスも崩しがちです。お座りの姿勢を保てず、後ろや横に倒れてしまい後頭部をぶつけてしまう事故が起こることも少なくありません。腰がしっかり据わるまでは大人が後ろから支えるようにしましょう。
【ハイハイ・つかまり立ちの時期】転倒・火傷・落下に注意
ハイハイやつかまり立ちができるお子さまは、移動範囲が広がります。大人が思うより速く移動する場合もあります。ストーブ・ポット・炊飯器による火傷や、薬・たばこ・電池などの誤飲、お風呂場での水の事故など危険なシーンが多数あります。
【おむつ替え】股関節脱臼に注意しましょう
赤ちゃんの骨や関節は柔らかく、少しの力でも脱臼を起こしがちです。
とくにおむつ替えの時の「股関節脱臼」には十分注意しましょう。赤ちゃんの足は「M字型」に開いているのが正常な状態です。おむつ替えのときなどに無理に足をまっすぐに伸ばしたり、足を上げる時に無理に上に引っ張りすぎると付け根の脱臼につながることがあります。
おむつ替えのコツ
市販の紙おむつの場合、テープの貼り方で調整します。赤ちゃんにちょうどよいあて方は、止めた時に指が1本入るくらい。きつすぎない位置に止めましょう。緩すぎると上から漏れてしまいます。
おむつ替えやおむつの捨て方について、詳しくはこちらでご確認ください
寝返りしてしまう赤ちゃんのおむつ替えは、ぬいぐるみをお腹に乗せる、おもちゃを手に持たせるなど、お子さまがあおむけになって楽しめる工夫をしましょう。 「パンツタイプ」のおむつは、自分の肩につかまり立ちで履かせたり、足を入れた後はうつぶせになったタイミングで上げるなど、素早く行うのがコツです。
【ミルクや離乳食】残ったものは差し上げません
赤ちゃんのミルクは菌が繁殖しやすいので、全部飲んでいなくても再度作り直します。調乳の前には必ず手を洗いましょう。また、ミルクのあとは必ず「げっぷ」を出します。赤ちゃんの胃は未発達なためミルクを吐き戻すこともあります。赤ちゃんのお背中をとんとんする場合などは、お口のあたりにガーゼハンカチやタオルを置いておくと安心です。
調乳の手順はこちらでご確認ください
ピンチ!赤ちゃんが泣き止まない!
0歳児の赤ちゃんの保育では「泣き止まない」こともめずらしくありません。慌てたり困ったりイライラしてしまうことのないよう、保育のプロとしてゆったりと構えましょう。
泣き止まないときに試してみること
- ミルクをあげる
- おむつを替える
- おむつかぶれがないか
- 抱っこをする
- 暑くないか・寒くないか
その他ポピンズシッターのベビーシッターの皆さんからいただいた「泣き止まない時」のアイデア集はこちらです→
0歳児のご依頼、事前に保護者さまに確認したいこと
お子さまの成長度合いなどで保育や注意点が異なる0歳児では、事前の保護者さまへの確認がとても大切です。事前面談や保育前に確認しておきたいことをまとめました。
成長の度合い
- 首すわり・腰すわり・おすわりの可否など成長段階の確認
- 抱っこの方法(首の支えがどの程度必要かなど)
睡眠
- 何時ごろどのくらい眠るか
- 普段の寝かしつけの方法、眠る場所
おむつ替え
- 普段の排泄の回数
- おむつやおしり拭きの場所
- おむつの捨て方
ミルク・離乳食
- 差し上げる量・温度・時間間隔・1回あたりにかかる時間
- 残ったものを捨てるのか残しておくのか
- 足りない場合の方法
- 哺乳瓶の取り扱い方法
外出
- 抱っこ紐やベビーカーの使い方
- ベビーカーの開閉方法や置き場所
※マンションの玄関外(共有部)には、私物を置いてはいけないことがあります。
遊び
- 好きなおもちゃ
- 好きな遊び方
0歳の赤ちゃんの成長段階別、遊び方のアイデアはこちらの記事でご覧いただけます→
とくに初めて保育をする0歳のお子さまの場合は、事前面談を大切に行いましょう。
お子さまが感染しやすい「冬の病気」とケア方法
気温が低くなり空気も乾燥する冬は、さまざまな病気が流行する季節です。お子さまが罹りやすい冬の病気について、おもな症状や保育に携わる上での対処法をおさらいしておきましょう。
なお、「病児保育」で対応できる範囲などは「お仕事ガイド」でご確認ください→
お仕事ガイド
ウィルス性胃腸炎(ロタ・ノロ)
ウィルス性胃腸炎は、ロタウイルス・ノロウイルスなどが胃腸炎に感染して起こるウイルス性の病気です。これらのウイルスは、空気が乾燥した冬に活発になり感染力を強めます。感染者の嘔吐物などからウイルスが舞い上がり空気感染します。
【ロタウイルス感染のおもな症状】
高熱が続く/下痢/勢いよく嘔吐
【ノロウイルス感染のおもな症状】
突然吐く/下痢/腹痛/発熱
【ケアのポイント】
- 脱水を予防するために、水分と塩分が含まれた経口補水液をとる
- 二次感染を防ぐために、排泄物やおう吐物に直接触れないようにマスクや手袋をする
インフルエンザ
インフルエンザウイルスにはA型やB型など毎年流行する型が違うことが特徴です。おもに感染者のの咳やくしゃみなどから飛沫感染します。ウイルスが付着した手で触ったドアノブなどを間接的に触れることによる接触感染することもあります。
【インフルエンザの主な症状】
39度前後の高熱が続く/悪寒/頭痛/だるさ/鼻水/咳/喉の痛み/腹痛/下痢/嘔吐
【ケアのポイント】
- 室内の換気、保湿、保温を行う
- 脱水を防ぐために、水分補給と食べられるものを食べさせる
(吐き気がある場合は落ち着いてから) - 睡眠が大切。なるべく眠れるよう配慮する
RSウイルス
RSウイルスは、呼吸器系の感染症です。感染している人の咳やくしゃみで飛沫感染したり、ウイルスが付着したものを間接的に触ることで接触感染したりします。
【RSウイルスの主な症状】
鼻水、咳などの軽い症状が多い
※ただし2歳以下の乳児の場合は、気管支炎や肺炎などの重症化しやすい
【ケアのポイント】
- 室内の換気、保湿、保温を行う
- 水分補給をしっかり行う
- 乳児の場合は重症化しやすいため、とくに呼吸に注意して観察する
水疱瘡
水疱瘡は、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染が原因で起こる病気です。主に、保育園や幼稚園に通うお子さんが集団感染しやすい強い感染力を持ったウイルスです。飛沫感染のほか、感染者の水疱などに触れることで接触感染も起こります。
【水疱瘡の主な症状】
下記の順で症状が出ます。
37~38度前後の発熱と発疹が現れる→半日~2日ほどで全身に広がる・発疹は赤く、かゆみがある→水疱は乾き、かさぶたになって剥がれ落ちる→発疹から7日程度で治ることが多い
【ケアのポイント】
- 口の中に水疱があると食べるときに痛むため、刺激の少ない柔らかい食べ物を与える
- 水疱をかかないようにする
※できればお子さまの爪は短く - 発熱がある場合は、脱水にならないように水分補給
妊婦さんは注意!
保育者が妊娠中の場合は、お腹の赤ちゃんにウイルス感染してしまうリスクがあるため、とくに水疱瘡の二次感染には注意が必要です。妊娠中のかたは、水疱瘡のお子さまとは接しないほうがよいでしょう。
溶連菌感染症
溶連菌感染症は、溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌を原因として感染する病気です。感染している人の咳やくしゃみによる飛沫感染が主です。
【溶連菌感染症の主な症状】
38~39度の発熱、喉の痛み/体や手足に小さく赤い発疹/舌にイチゴのようなツブツブ/リンパ節の腫れ/腹痛/嘔吐
【ケアのポイント】
- 刺激の強い食べ物は避けて、消化のよい食べ物を与える
- 脱水を予防するために水分補給を促す
- 抗生物質は、医師の指示通り忘れずに飲み切る
ご自身への二次感染を防ぐ、嘔吐物の正しい処理方法
- 嘔吐物を処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを装着してから触れる
- とくにノロウイルスで汚染された場合は、次亜塩素酸ナトリウムの消毒を行う
- 汚染物の処理で使用したものは、袋に入れて密閉する
- 処理後は、手洗いやうがい、室内の換気を行う
緊急連絡の目安
いつもと違う様子や症状が出た場合は、保護者さまにおしらせをしてください。
保護者さまに連絡が取れない場合、必要に応じて救急車を要請の上、ポピンズシッターサポートへご連絡ください。
病児保育について
病児保育の「通常保育」で対応できるのは以下の通りです。
風邪症状(37.5度以上の発熱、下痢嘔吐、咳、鼻水)/溶連菌感染症/RSウィルス/手足口病/ヘルパンギーナ/突発性発疹/とびひ
病児保育の「感染症対応」の範囲は以下の通りです。
インフルエンザ/ウィルス性胃腸炎(ノロ、ロタ)/水痘(みずぼうそう)/百日咳/アデノウィルス(プール熱、咽頭結膜炎)/麻疹(はしか)/風疹/流行性耳下腺炎(おたふく)/りんご病(伝染性紅斑)
病児保育のルールは「お仕事ガイド」でご覧いただけます。
かんたん!楽しい!先輩シッターの「手作りおもちゃ」
ポピンズシッターのベビーシッター檀原由衣さんに、手作りおもちゃの作り方やお子さまへのお声がけ方法を伺いました。定期のご依頼でついマンネリ化してしまいがちなお子さまとの遊びや、お子さまとの時間の過ごし方のヒントになさってください。
巧緻性の向上にも!「パネルひも通し」
【お声がけのコツ】
数ヶ所紐を通した状態でお子さまに見せて「やってみる?」とお尋ねしてみましょう。
ぴょん!と飛ばして盛り上がる「紙コップロケット」
「ぴょーんと飛ばして遊んだり、「とってきて~!」とお願いすると、おうちの中でもたくさん動いて遊べます」(檀原シッター)
作り方の詳細やその他の「手作りおもちゃ」をこちらの記事でご紹介しています→
ついマンネリ化してしまうお子さまとの過ごし方、よいアイデアを教えて!
シッターのみなさまの疑問や質問を、サポートきょうこがベテランシッターさんにアンケート。今回は、皆さんとっておきの「お子さまとの過ごし方レシピ」を教えていただきました。
定期のご依頼でお子さまとの過ごし方・遊び方がマンネリ気味。楽しい時間にする遊び方・過ごし方を教えてください。
歌・手遊びでお子さまと触れ合う
体を動かしながら歌う手遊びなら、一緒に盛り上がることもできますね。お子さまに人気の手遊びはいかがでしょう。
トントントントンひげじいさん
トントントントン ひげじいさん
トントントントン こぶじいさん
トントントントン てんぐさん
トントントントン めがねさん
トントントントン てはうえに
キラッキラッキラッキラ てはお膝最後の「てはおひざ」の部分をアレンジしても楽しいです
絵本の読み聞かせ
絵本は1歳未満のお子さまでも笑ってくださることもあり、コミュニケーションツールとしても活躍します。絵本を通じて、お子さまの好奇心や探究心を育むこともできるでしょう。抑揚をつけたり、物語に合わせて体を時には動かしながら読むと、お子さまも絵本の世界に引き込まれていくでしょう。
折り紙や工作でごっこ遊び
正方形の紙からなんでも作れてしまう折り紙は大人気。折り紙の本を持参して、折りたいものを選んでもらうというベビーシッター様や、作成済みを持っていき、仲良くなるためにはイミングを見計らってプレゼントをするというベビーシッター様も。
・紙飛行機で飛ばしあい
折り紙では、本当にいろいろなものが作れますが、中でも紙飛行機は人気。折り方や飛ばし方でいろいろと変化するのも楽しいところです。
その他のアイデアもたくさん!こちらの記事でご紹介しています→
皆さまから寄せられた「ヒヤリハット」集
ほんの少しの心がけで防げる事故やトラブル。今回は、シッターの皆さまからの冬にまつわるヒヤリハット報告をご紹介します。
ホットカーペットの上でお昼寝
ホットカーペットの上でお昼寝していたお子さまが、目が覚めると汗びっしょりに!
スチーム型の加湿器が!
スチーム型の加湿器がお子さまの手が届くところにあるのを知らず…。
暖房器具の取り扱いに注意しましょう
暖房器具は思わぬ事故につながることがあります。
【ホットカーペット・床暖房・電気毛布】
リビングでお昼寝する際に、床暖房・ホットカーペット・電気毛布を使用している場合は、体温が上昇しすぎないよう気を付けましょう。赤ちゃんの皮膚は薄く、体温調節機能も発達していません。長時間の利用で低温火傷になったり、発汗による脱水にも注意が必要です。
寝返り前のお子さまはとくに注意が必要です。
【スチームが出る加湿器】
スチーム式の加湿器の中には、熱い蒸気が出るものがあります。つかまり立ちをするお子さまが、加湿器につかまってしまったり、スチームに顔を近づけて火傷する恐れがあります。スチーム式加湿器が手の届く場所にある場合は場所を移動しましょう。
なお、炊飯器やホットクックなどの調理器具からでる湯気も火傷の危険があります。キッチンに立ち入らないように注意しましょう。
【ストーブ・ヒーター】
お子さまが近づかないよう場所を移動するか、使用を控えましょう。暖房機器が他にない場合は、普段はどうされているか保護者さまに確認しましょう。
~言葉を大切に~素敵な完了報告
ベビーシッターのみなさまから日々届く「完了報告」。思わず笑顔になるものや感動的なご報告をいただくことも。その一部をご紹介します。
今月は、言葉を大切に過ごす、お子さまとシッターの様子です。
ぬいぐるみのお世話で簡単なごっこ遊びを楽しめるようになってきましたね。
日常生活で体験した事はイメージに繋がりやすく遊びが広がってきて、言葉のやりとりにも幅が見えました。
Aちゃんの言葉をしっかり受け止め寄り添ったり、正しい言葉で返すなどして、一つひとつの言葉を大切に過ごしていきたいと思います。
ポピンズシッターからのおしらせ
病児保育・与薬についておさらいしましょう
冬場は病児保育のご依頼が増える時期です。ご依頼があってから慌ててしまわないように、病児保育の基本ルールや、予約についておさらいしておきましょう。
対応できる範囲など病児保育のルールはこちらで確認いただけます→
与薬は医師から処方された薬であれば可能です。保護者さまに必ず「与薬依頼書」をご記入いただき、与薬依頼書の内容に従って行ってください。
新年最初の「はじめて応援だより」をお届けしました。下記フォームでは、皆様からの感想や疑問・質問、取り扱ってほしいテーマなどもお待ちしております!ぜひお声をお聞かせください。
ポピンズシッター:きょうこ
ポピンズシッターのシッターの皆様のサポートを担当していますきょうこです。シッターの皆様に役立つ情報・お楽しみいただけるコラムをお届けします。
皆さまの「マイページ」の【AIチャット】でも、お悩み相談・質問を受け付けています!
ベビーシッターの皆様のサポート担当きょうこです。
2023年最初の「はじめて応援だより」です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今月は冬に多い病気のケア方法や、0歳児のお子さまの特徴と注意点をお送りします。ベテランシッター檀原さんの手作りおもちゃのご紹介もぜひご覧ください!