はじめて応援だより12月号:満足度を上げる保護者さまコミュニケーションのコツ

ポピンズシッター:きょうこ

すっかり寒くなった12月、いかがお過ごしでしょうか⛄

12月号では保護者さまとのコミュニケーションのコツについてお伝えします。

・お子さまおひとりの保育で伺ったらごきょうだいもいた
・寝てる間に家事を頼まれてしまった

など、難しい場面の対応法もご紹介します。

プロのシッターはご家庭の価値観を尊重する

シッターのお仕事の特徴は「個人宅が仕事場」ということ。

そして、ご家庭によってやってほしいこと・やってほしくないことが異なるため、どのお客様にも喜んでいただける完璧なサービスはありません。

子育ての方針だけではなく、お部屋の使い方もそれぞれです。そんな中で保護者さまの信頼を得るために重要なことは【価値観を尊重する】ことです。

価値観をきちんと把握するため、ご家庭のルールについては面談時間などできちんと確認しましょう。

ご家庭のルールを確認する

テレビの視聴時間、おやつを食べていいときなど、それぞれのルールがあります。自己判断をするのではなく、事前に確認しておきましょう。

やってほしくないことも一緒に確認すると安心♡

習慣や常識は保護者さまにより異なります。

「ご自宅の使い方で気をつけたほうがよいことなどございますか?」
「荷物を中にお部屋のなかにお持ちしてもよろしいでしょうか?」

など、ルールを把握しながら進めると、保護者さまの信頼を得やすくなります。

💡この記事もおすすめ💡
【気を付けるポイント】ご家庭のルールの尊重・面談と報告編

こんな時どうすればいい!?難しい場面の対応法をベテランシッターがご紹介

お仕事を始めてみると、なかなか教科書通りにはいかない場面も出てきますよね?そんな時ベテランシッターはどのように対応しているのか、新人研修の講師としても活躍する石黒シッターに聞いてみました!

🎄お話を聞いたのはこの方🎄

石黒シッター

幼稚園、小学校などの教諭職を経てシッターデビュー!
お子さんや保護者様とじっくり向き合えることがシッターという仕事の魅力。シッターをしながら興味があった赤ちゃんの睡眠や食事、モンテッソーリ教育、心理カウンセリングなどを学び、保育士資格を取得。
子どもの「できた」「楽しい」が最高のご褒美です♡

😢おひとりのご依頼で行ってみたらごきょうだいがいた・・

――石黒さんはこういった場面に遭遇したことはありますか?

ありますね、ごきょうだいのご利用に関するルールをご存じない保護者さまはたまにいらっしゃいます。この場合、助成を使ったご依頼かどうかで対応が変わります。

助成を使っていなければきょうだい保育が出来るので、きょうだい保育をご提案します。

「よろしければお兄ちゃんも一緒に見ましょうか?後ほどご依頼内容の変更はできるので、ご安心ください!お母さんゆっくり休んでください」といった感じですね。

――助成を使っている場合というのは、一時預かり(東京都ベビーシッター利用支援)を使っている場合ですよね?

一時預かり(東京都ベビーシッター利用支援)を利用している場合、お子さま1人につき1名のシッターが必要なんです。

そのため、きょうだい保育として受けてしまうと、保護者さまが助成を使えなくなってしまいます。とはいえご家庭に伺い、同室でおひとりしか保育しない!という状況は難しいですよね。保護者さまにルールをご確認ください、というのも気が引けます。

そんな時には「よろしければ○○くんの保育の後お兄ちゃんの時間もとりましょうか?しっかり遊んできますよ!」と提案してみます。

「大丈夫です」となった場合は、「よろしければ、別室で保育させていただいてもよろしいですか?」とか「お外遊びに連れて行っても大丈夫ですか?」とおひとりの保育を無理なくできる環境を作りますね。

――ご説明やお断りを入れるのではなく、あくまでご提案をしてルールをお示しするんですね。

そうですね、サービスをご利用いただいているお客様に失礼がないように、そして保護者さまが保育に満足していただけるように前向きなご提案を心がけています。

「前の人は見てくれたのに・・」と言われてしまうこともあると思います。でもそんな時は「そのシッターがルールを間違えていたようです、申し訳ありません。」と素直にお詫びします。

そのうえで、当日のご延長は難しくても「次回来るときにお時間とることもできるので必要であれば言ってくださいね!」とあくまで前向きにご検討いただく方向に促します。「いつも2人見てるお母さんすごい、シッターが来るときはゆっくり休まれてください(お仕事に集中してほしい)」など、いつも頑張る保護者さまにいたわりの言葉を添えられたらより良いかもしれません。

▼保護者さま向けのご案内▼

きょうだい保育のルールとは?助成利用の場合の注意点もご紹介

😢お子さまが寝てる間に洗濯物を頼まれて断りづらい・・・

――頼みたくなるお気持ちはとても分かりますね・・

はい、保護者さまのお気持ちはとても分かります!!我が子であればお昼寝中は家事タイムですものね。

ただ、シッターはお子さまの大切な命をお預かりしていることがお仕事であるということを忘れてはいけません。それはお子さまの睡眠中であってもおなじで、かならずSIDSチェックを行います。

SIDSチェックについては保育・サービス研修でおさらいできます

――万が一頼まれてしまったとき、石黒さんはどうしてますか?

「寝ている最中はお子さまの安全管理をするというのが会社のルールなんです」とお伝えしたうえで「この後空いているので、かんたん家事30分つけられますよ?」と営業してみたりもします。

だいたいお断りされてしまうんですけどね(笑)
それでも「ルールなんで」とお断りするよりもお互いに気持よいコミュニケーションになると思っています。

😢面談を丁寧に行いたいが、お忙しそう・・どうする?

――面談に割きたい時間はご家庭によって差がありそうなポイントですね。

そうですね、丁寧に方針やお子さまの状況をお話ししたい方と、最低限のことだけお話ししたい方がいらっしゃいます。これこそご家庭の方針によってさまざまで、かなり差があります。

メッセージで事前に「面談が終わり次第すぐ出ます」と教えてくれる保護者さまの場合は、出来るだけ完結にお聞きしたい内容を準備しておいて、短い時間で終えられるようにします。

――メッセージで特にご連絡がなかったときはどうしてますか?

とにかく『保護者さまのご様子を見て合わせる』ことが大切だと思います。ご自宅に伺ったらすでにお出かけの準備をしていそう・・という時は、立ち話で出来るだけ完結に面談を進めるようにします。

逆に「どうぞお座りください」という感じで座ってしっかり面談を希望されるご家庭もあります。その場合は保護者さまのお時間が許す限りできめ細かな面談を心がけます。

シッターを始めてすぐは自分のことで精いっぱいなのでなかなか難しいですけどね。保護者さまに合わせようと意識するだけでも、より柔軟に対応できるかもしれません。

💡この記事もおすすめ💡

面談の基本

😢お母さまが在宅勤務。保育中、保護者さまのところに行ってしまう

【気を付けるポイント】片付け・泣いているお子さまへの対応編

――つらい場面ですね、全員つらい。

はい、私も経験があります。お父さま・お母さまがともに在宅で、しかもお部屋が大きなワンルームで仕切りがなかったんです。

ご両親が見えればお子さまはそばに行きたくて泣くし、泣けばご両親も心配なのでそばに来てしまう。大人3人いるのにお子さまの求めることに誰も答えられない時間が流れていました(笑)

――誰も逃げられませんね、石黒さんはどう対応したんですか?

そんな時はまずお子さまに共感しています、「お母さま大好きよね、そばに行きたいよね、分かる~」と。申し訳ない気持ちと焦りで「すみません」と言ってしまいそうになりますが、保護者さまもシッターも大切にしたいのはお子さまの気持ちです。

そのうえで環境が整っているようであれば「心配だと思いますが、別室で保育か別室でお仕事されると○○ちゃんの気分も変わるかもしれません」とご提案します。

私の場合別室が難しかったので、ご了承を得てお外にお散歩しに行きました。ひとしきり公園で遊んだ後、お昼寝をしてくれたので後半はご両親ともしっかりお仕事ができたようです。

――外出できない、別室に行けないという場合もあると思いますが、そんな時はどうしてますか?

ご両親がご在宅というのが事前にわかっているときは、必ず何かお子さまの興味を引くものを持っていきます。「お好きなキャラクター・おもちゃは何ですか?」と聞いておいて、電車好きであれば電車のおもちゃを、アンパンマン好きであればアンパンマンのおもちゃを持参します。一度「この人面白いものを持っている・・」と思うと、お子さまはシッターに興味を持ってくれます。

幼児ならシールや折り紙、赤ちゃんならパペットや光るおもちゃも効果的です。

💡この記事もおすすめ💡

保育に持っていると意外に便利なものは?先輩シッターに聞きました

シッターができる、子育て家庭を救う言葉がけ

――石黒さんが保護者さまコミュニケーションで常に心掛けていることはありますか?

子育ての大変さへの共感」ですかね。特に、まだ小さな第一子を育てているご家庭などは日々不安だらけです。「子育てって本当に大変ですよね」「何かあったら何でも言ってくださいね」と声をかけるだけで救われる保護者さまもいると思います。

お子さまの褒めるポイントを見つけたら「○○ちゃん、こんなことができたんですよ!お母さんの日ごろの声掛けがいいからですね!すごい!」と、保護者さまごと褒めてしまいます。

子育てのアドバイスをするのは信頼関係が生まれてから、保護者さまに求められてからのほうが良いですが、共感は最初からできますよね。

子育ても仕事も頑張る大変な保護者さまに寄り添って、肩の荷を少し下すコミュニケーションができたらと心がけています!

今月も「はじめて応援だより」をお届けしました。急に寒くなり、体調を崩しやすい季節です、シッターの皆さまもお体にお気をつけてお過ごしください。はじめて応援だよりは、皆様からの感想やご要望などもお待ちしております!ぜひお声をお聞かせください。

この記事は

ポピンズシッター:きょうこ

ポピンズシッターのシッターの皆様のサポートを担当していますきょうこです。シッターの皆様に役立つ情報・お楽しみいただけるコラムをお届けします。

皆さまの「マイページ」の【AIチャット】でも、お悩み相談・質問を受け付けています!

「はじめて応援だより」のその他の記事を見る