保育士資格を生かして「ベビーシッターになる」:子どもに関わる仕事・働き方辞典
横森さや

勉強や実習、試験など、たくさんの努力をして取得した保育士資格。保育園勤務だけではなく、他の仕事で活かせないかな?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
保育士資格は保育施設だけではなく、ベビーシッターや他の仕事でも活かして働くことができます。中でもおすすめはベビーシッター。とはいえ、ベビーシッターとして働くことに不安を持つ方もいるでしょう。
この記事では、保育士資格を活かして働く方法や、保育士がベビーシッターに向いている理由をお伝えします。
目次
ベビーシッターってどんなお仕事?
ベビーシッターは、お子さまをお預かりして保育やお世話をするお仕事です。
保護者さまからはたとえばこんな理由でご依頼をいただきます。
- 仕事中みてほしい
- リフレッシュしたい
- 子どもの送迎をしてほしい
- 育児のサポート
- イベント中のお預かり
- 勉強や工作を教えて欲しい
このようなご依頼が多いものですが、必ずしも理由は必要ありません。保護者さまのご都合で好きな時に預けられるのが保育園とは異なる点です。
保育場所はご自宅に伺うことが多いですが、ご希望に応じて保護者さまの職場やイベント会場などになることもあります。また公園にお連れしたり、ご要望があれば水族館や動物園にいくことも。
過ごし方や内容、関わり方は保護者さまのご希望に沿って決めていきます。ご家庭によって異なるオーダーメイドの保育ができるのが、ベビーシッターの醍醐味といえるでしょう。
ベビーシッターのお仕事内容
ベビーシッターの具体的な仕事例は
- 授乳や食事
- 着替え
- 寝かしつけ
- 室内遊び
- 戸外遊び
- (園や習い事の)送迎
- 習い事の先生代わり
- 病後、病児保育
- 保護者さまの育児サポート
- イベント時の一時保育
- 職場・お仕事中のお預かり
などとても多岐に渡ります。幅広く柔軟な対応を求められるので、保育士資格は強い武器になるでしょう。
保護者さまの不在時のシッティングだけでなく、一緒に買い物に行ってほしい、公園で遊んでほしいなどのサポートもあります。
保育士がベビーシッターに向いている5つの理由とは
ベビーシッターは資格や経験がなくてもなれますが、保育士資格や経験は保護者さまに求められることのひとつになります。資格を持つことで保護者さまの安心感が高まるからかもしれません。
保育士が「ベビーシッターに向いている理由」を5つ挙げてみました。
- 子どもが好き・慣れている
- 成長発達を理解している
- いろいろなお子さまと関わった経験がある
- 保護者さま対応経験・理解がある
- 幅広い遊び方や教え方を知っている
お子さま好きの方が多い保育士
保育士もベビーシッターもやはり子ども好きのかたに向いています。特に職業として保育士を選んだ人は、子ども好きのかたが多いのではないでしょうか。ベビーシッターは、個別に一人ひとりのお子さまと密接に関わることができるお仕事という点で、集団保育とは違ったやりがいを感じられます。
保育士は成長発達を理解している
ベビーシッターは、一人ひとりのお子様に合わせたシッティングを求められます。資格取得や日々のお仕事のなかで、成長発達を学び理解している保育士には、ベビーシッターはぴったりのお仕事です。
専門知識を活かすことができ、保護者さまからも厚い信頼を寄せられるでしょう。
いろいろなお子さまと関わった経験がある
保育士は、いろいろなお子さまと関わった経験がありますよね。お子さまは一人ひとり個性があり、適切な接し方もそれぞれです。たくさんのお子さまと関わることでそれらを肌で感じ実践した経験は、ベビーシッターとしても大いに役立つことでしょう。
お子さまの特性や個性を見出し、一人ひとりの個性に合った関わり方ができるのは保育士の強みです。
保護者さまと接した経験もスキル!
保護者さまへの対応経験もじつは重要なスキルです。ベビーシッターは、お子さまはもちろんのこと、保護者さまとの信頼関係構築もとても大切です。
保育園でも一人ひとりに合わせた丁寧な保護者さま対応が求められますが、この経験がある保育士はベビーシッターとしても活躍できること間違いなしです。
幅広い遊びや教え方を知っている
保育士として園で働く時には、「遊び」を軸にして年齢や発達に合った保育計画を立てていますよね。日々実践し、子どもの反応次第で工夫したり試行錯誤していく中で遊びの幅が広くなり、引き出しの多い先生になっていくものです。
ベビーシッターとして働く際も、多い保育士として培ったスキルが役立ちます。
選んでみました!保育士資格を生かせる仕事10選
保育士資格は、ベビーシッターや保育施設だけでなくさまざまなお仕事で活かすことができます。ここでは、代表的な10のお仕事をピックアップしました。
保育施設勤務
保育士資格を生かせる仕事の王道は、やはり保育施設での保育士でしょう。保育施設は保育園が一般的ですが、今や規模や施設によってさまざまな特色があります。
一般的な保育園だけでなく、病児保育や一時保育を専門にしている施設も増えています。病院内の保育園や企業内保育園などもあり、一言で保育施設といっても環境は多岐にわたり、選択肢が増えているため保育士にとっては働きやすい職場を選べるとも言えます。
しかし、フルタイムで働くと業務量が多く幅広くなりがちです。また、昨今は保護者さまのニーズに答え開所時間も長くなる傾向に。早番や遅番のシフトに入るのは一般的で、今や土日祝日なども開園しているところもあるので、保育士の負担は増えてきています。
家庭や育児との両立はしにくい労働環境ともいえるかもしれません。
保育ママ
「保育ママ」とは、自治体の認定を受け、自宅やマンションなどの1室を借りてお子さまを保育する保育士や施設のことを指します。「家庭的保育者」や「家庭福祉員」とよぶ自治体もあります。
保育ママ一人に対し、3歳未満児2~3人までの保育が一般的。自分の自家で預かれるため、保育ママの移動の負担も少なく、慣れた場所で保育できる点が魅力でしょう。また、保育施設に比べると家庭的な雰囲気の中、きめ細かいオーダーメイドの保育ができる点は魅力的ですね。
一方デメリットは、「保育ママとして働くには準備が必要である」ことです。自治体から認定を受ける必要があるため、すぐにお仕事ができるわけではありません。お散歩用のベビーカーの用意や、部屋の改造などの準備も必要です。
学童保育所
学童保育所は「学童」の愛称で親しまれている小学生の保育施設です。下校後の小学生が、夕方・夜間まで過ごす施設で、職員は保護者代わりに見守ります。
正規職員は、保育士資格や教員免許を持っていることが多く、経験やスキルを生かせる職場と言えるでしょう。
小学生がお相手なので、放課後宿題や勉強のサポートをしたり、外で一緒に遊ぶなど、乳幼児相手の保育内容とは若干異なります。就業時間は下校後〜夜までなので、ライフスタイルに合う人には働きやすいと言えます。
現在、学童には「放課後児童支援員」の配置が必須となっており、資格取得が求められています。資格取得の条件に「保育士資格を持っていること」も含まれるため、保育士はすぐに受験できる点がポイントです。
デメリットとしては、乳幼児保育が希望の方や、体力勝負のお仕事に抵抗がある方向きではない点です。
幼児教室
幼児教室は、英会話やリトミック、スポーツ、お受験…など何かに特化したスキルを提供できる場所です。必ずしも資格は必要ありませんが、保育士資格があれば保護者さまに安心してもらえるでしょう。
少子化に伴い、幼児教室の需要は高まっています。また、主に日中のお預かりになるため、家庭や育児との両立もしやすいと言えます。スキル×保育士資格を活かすことができ、やりがいを持って働けるでしょう。
短時間勤務になることが多く、フルタイムで働きたい方には不向きかもしれません。
助産施設
助産施設とは、保健上必要があるにもかかわらず、理由があり入院や助産を受けることができない妊産婦に助産を受けさせる施設です。妊産婦さんの世話や相談相手になったり、新生児のお世話をするなどのサポートを行います。
不安定になりがちなお母さまのケアや、新生児の沐浴やおむつ交換、授乳など、保育士資格や経験を活かすことができますね。ただし、あまり求人数はありません。
子育て支援センター
子育て支援センターは、地域の子育て世代を援助する場所です。育児の相談にのる・遊びの場を提供する・季節や行事のイベントを開催するなど、保育士の資格やスキルを思う存分発揮できます。
中には、一時保育を行っている施設もあり、保育士ならではのスキルが求められる場面も。子育ての悩みは一筋縄ではいかないことも多いため、保育士資格があれば、多くの子育て世代に頼りにされるでしょう。
乳児院
乳児院は、何らかの理由で養育ができない保護者さまの2歳未満の子どもを養育する施設です。複雑な環境に置かれたお子さまも多いので、職員が保護者代わりになり愛情を持って接する必要があります。
夜泣きやしつけ、予防接種など、時間に関係なく保護者同様のサポートが求められるため、保育の専門知識が必須です。また、お子さまの成長に合わせた関わりはもちろんのこと、家庭に戻れるよう保護者のサポートも必要なお仕事です。
24時間体制なので夜勤や宿直などもあり、家庭や育児との両立が難しい点がデメリットです。
一般企業
保育士資格があれば、保育に関連のある一般企業でも働くことができます。仕事内容は、保育士専門の就職や転職のサポート、人材派遣や育成、人事、営業、求人広告を作成するなど多岐に渡ります。
保育園を運営する会社の事務やコーディネーターといった働き方もあります。普段は事務仕事で、定期的に系列園を巡回し、施設長や職員の相談に乗ることもあります。保育士資格を持ち、保育施設で働いた経験があれば、保育士ならではの悩みや現場の大変さに寄り添うことができる職員として頼りにされるでしょう。
保育施設での勤務に比べると、デスクワークやPC作業が多いのも特徴。保育施設で保育を行うのがメインだとすると、こちらは裏方のお仕事と感じるかもしれないため、直接子どもと関わりたい人には向きません。
Webライター
保育士資格を生かし、Webライターとして活躍するかたも多くいます。保育や育児関連の記事の依頼は多くあるものです。
Webライターは、PC1台あれば時間や場所に縛られずできるお仕事。家庭を持っていたり、ご自身が子育て中でも自分の都合の良い時間に働くことができる点がメリットです。
しかし、単発の依頼も多く収入が不安定になりがちな点がデメリット。安定した収入を得たい方には向かないお仕事です。
商業施設・写真館
お子さま向けの商業施設でも、保育士資格を活かすことができます。
たとえば、写真館は、泣いている赤ちゃんをあやしたり、ごきげんななめのお子さまを笑顔にするなどの場面が多い場所。人形やぬいぐるみを使うこともあり、得意の手遊びなど保育士ならではのスキルが役立ちます。
子供服の販売員さんとして働くかたもいます。初めての子育てをする保護者にとって、子どもの服選びは難しいものです。保育士は、月齢や年齢はもちろんのこと、一人ひとりの発達に合った服選びのアドバイスができます。
たとえば「そろそろつかまり立ちが始まるので、ズボンのすそを踏まないように」など、保育士目線でのアドバイスは、新米ママパパの役に立つこと間違いなしです。
保育士資格をし活かしてベビーシッターになろう
ベビーシッターは一人ひとりのお子さまとじっくり、丁寧な関わり方ができる点、時間の融通が利き家庭や育児との両立もしやすい点、人間関係のストレスがない点でも満足度が高働き方のひとつです。
保育士資格があると、保護者さまからの信頼や安心感を得られやすく、やりがいを持って働けるでしょう。
週1もフルタイムも選べる!初めての方も安心して働けるポピンズシッター
ポピンズシッターでベビーシッターとしてお仕事をスタートしてみませんか。
ベビーシッターにとって、保育士資格や保育士としてのご経験は強力なスキルになります。園の勤務に比べて自由度も高いので子育て中のかたにもピッタリです。
ポピンズシッターでは、保育士資格のあるかたを歓迎しています。
安心してお仕事いただけるポピンズシッター
ベビーシッターのサービスを行う会社はたくさんあります。ポピンズシッターは、ベビーシッターの皆さまに安心してお仕事をいただけるよう「4つの約束」を掲げています。
週1回も週5も、ライフスタイルに合わせた働き方ができます
ご都合やライフスタイルに合わせて、週1回スキマ時間でのお仕事から、フルでがっつり働きたいなど、ご希望に応じた働き方が選べます。働く場所もご自宅の近くなど、ご都合で選ぶことができます。
また、ポピンズシッターでは万が一のトラブルの際もベビーシッターが直接対応する必要がないので安心です。保護者さまのご登録も審査を実施しています。
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横森さや
認可保育園で13年働いていた保育士。ベビーシッター、家事代行経験もあり。2児の母でワーママとして頑張るライター。