こんなときどうする?食事介助の素朴な疑問
ポピンズシッター:きょうこ
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シッターの皆さまに『食事介助』に関するアンケートを実施したところ、日々の保育の中で抱えるお悩みが寄せられました。
ご家庭ごとの方針が様々で、命に係わる事故につながる可能性もある食事介助。シッターの皆さんの不安を解消し、お子さまにとって楽しいお食事時間になるよう、アンケートで集まった疑問について、ベテランシッターのお二人(亀井さん・根本さん)に聞いてみました。
👇お話を伺ったお二人👇
根本シッター
シッター歴4年。プライベートでは3児の母として大忙し。下の子の手が離れ社会復帰したい気持ちになりシッターデビュー。
趣味はウォーキング、友達とランチ。
保護者さまに丁寧にヒアリングをして、ご家庭に寄り添った保育を心がける。
亀井シッター
シッター歴3年。保育園で働き始めたことで保育の奥深さに魅了されシッターデビュー。保育園とのダブルワークから専業シッターに。
趣味は読書のため我が子との絵本タイムを楽しむ。
お子さまの見ている風景を一緒に見て、気持ちを汲み取った保育を心がける。
ご家庭の方針との向き合い方に関する質問
根本:ご家庭のご希望に沿うことを第一に考えています。保護者さまがお箸を使って食べさせてほしいということであれば、出来る限りサポートをしたうえでお箸での食事を応援します。
どうしてもつまめないものがある場合は、介助用のお箸で差し上げたり、お子さま用のお箸で代わりにとって差し上げる、などの対応をしますね。
亀井:お食事をしてみて、お箸だとお食事が進まない、ということであれば一度保護者さまにお伺いするかもしれません。「難しい場合はスプーンを使ってもよいですか?」という感じで。
\おさえておきたいポイント📝/
✅ご家庭の方針が第一
✅難しそうであれば保護者さまにご相談
Q2. お食事の時間にテレビをつけるご家庭では、お子さまがそちらに集中してしまいます。シッターの立場としてなにか意見してよいものでしょうか?
根本:あるあるですよね(笑)シッターだけでなく、子育て中の方なら一度は悩むポイントだと思います。
亀井:ですよね。ただ、テレビやYouTube、ゲームなどはご家庭により方針が全く異なります。シッターはあくまでご家庭の方針に沿って保育をすることがお仕事なので、お食事中のテレビについて意見を言う必要はないと思います。
根本:そうですね、保護者さまがそばにいらっしゃって保護者さまがつけているのであればそのままでよいと思います。
もし保護者さまがご不在で、お子さまがつけたいという場合。お食事に集中できない状況が続くようであれば、「普段はどのように食べていますか?テレビをつけているとお食事に集中できないようで・・」とご相談してみてもよいかもしれません。
お子さまの日常に合わせて保育をすることが一番だと思います。
\おさえておきたいポイント📝/
✅お子さまの日常に合わせることを意識
Q3. 離乳食の進みが遅めのお子さまに関して保護者さまにご相談すべきでしょうか?(例えば完了期ではあるがまだおかゆが用意されている)
根本:お子さまの発達も、ご家庭の方針と同じく個人差があります。保護者さまがご心配されてないのであれば、基本的にご相談も不要だと思いますがいかがでしょうか?
亀井:私もそう思います!
Q4. 遊び食べを許しているご家庭があり、困る事があります。
亀井:保護者さまが遊び食べを許しているのであれば、その方針に沿って保育をしています。また、遊び食べは発達段階のひとつで個人差はあってもお子さまが必ず通る道でもあります。ご家庭の方針に沿ってサポートしてあげるとよいかもしれません。
\おさえておきたいポイント📝/
✅発達の速度はお子さまによって大きく違う
✅ご家庭の方針に沿ってサポート
Q5. 噛まずに丸呑みしているお子さまをみかけます。いつもそうだから大丈夫と保護者さまは言いますが、シッターにできることはありますか?
根本:「かみかみごっくんしようね」と声掛けをしながらサポートしています。どうしても丸のみが心配な食材がある場合は、小さく切ってます。
亀井:私もそうしています。私の場合、生活習慣は保護者さまの「いつもこうしている」を最優先に考えます。一方で、安全に関することは違います。例えばお食事の中にミニトマトが丸ごとあって、「いつもそのまま食べているから大丈夫」と保護者さまがおっしゃっている場合でも、「危険かもしれない」と思った時には「念のため半分にお切りしてもよいですか?」と対応するようにしています。
\おさえておきたいポイント📝/
✅かみかみごっくんの声掛けをする
✅危険かも?と思ったら小さく切るなどの対応を
お子さまの発達に関する質問
Q1. こぼしても自分で食べることを優先すべき?介助はどこまですべきでしょう?
根本:お子さまご自身に自分で食べようという意欲があるなら全力でサポートします。お子さまが持つスプーンと自分が持つスプーンを用意できるのであれば、出来る限りこぼれないようにお食事を寄せてみたりしますね。
亀井:「お食事はご自分で食べます?」「いつもどんな感じで食べたますか?」など、保護者さまにヒアリングできるとベストだと思います。
「発達のために出来るだけ手づかみ食べをさせてほしい」というご家庭もあれば、「出来るだけこぼしてほしくない」というご家庭もあります。
\おさえておきたいポイント📝/
✅食べる意欲があるならサポートを
✅ご家庭の方針をヒアリングしてみる
Q2. 自分で食べられる、スプーンがもてる月齢なのに、食べようとしない子への対応はどのようにすればよいでしょう?
根本:月齢ごとの発達はあくまでマニュアルとして参考にはしますが、食事の発達には個人差がありますよね。
また、お子さまの気分によって「今日は食べさせてほしい・・」ということもあると思います。そんな日は、無理強いはせずにサポートするようにしています。
亀井:食べさせてほしいようであれば、私もサポートします。単純に甘えたい気分の時もありますからね・・(笑)
そのうえで、引き渡しの際に普段の様子を聞いてみるかもしれません。
\おさえておきたいポイント📝/
✅月齢ごとの発達はあくまでマニュアル
✅無理強いはせずにサポートを
Q3. 食べ物を、ぐちゃぐちゃにして投げるお子さまに対して、どのように対応されてますか?
根本:ひたすら拾いますね・・(笑)
「なんでだろう?」とは思わずに、発達の段階で必要なことと認識しています。楽しくお口に運べるような声掛けをするようにします。
亀井:私も初回であればそうすると思います。可能であれば「こういう状況だったんですけど、普段はどうしてますか?普段の生活と合わせます。」と引き渡し時に確認を入れますね。
保護者さまが叱らないことでシッターが𠮟るという状況は避けたほうが良いと思っています。
\おさえておきたいポイント📝/
✅発達の段階と理解して拾う
✅保護者さまに普段の様子を聞いてみる
Q4. お食事の途中で、ウトウト眠くなられてしまうお子さま。何か段取りや声かけで工夫されていることがあれば教えてほしいです。
根本・亀井:かわいいですね~♡
根本:無理せずに寝かせましょう!起きてから食べられるようであれば差し上げる、でよいと思います。
亀井:そうですね、寝てる間は汗をかくので、脱水だけは気を付けます。ウトウトしだしたところで水分だけ飲ませて、それで寝かせる、でよいのではないでしょうか。小さい時期しかない出来事なので、見るとうれしくなっちゃいますけどね^^
\おさえておきたいポイント📝/
✅無理せず寝かせる
✅可能なら寝る前に水分補給を
Q5. ごきょうだい同士で遊んでしまうとき、どのように声がけをしますか?
根本:「一番好きな食べ物なに?」「これおいしそうだね~」といった感じで、食事に意識が向く声がけをしてみます。「何の話?○○さんにも教えて!」と話に入ってみても楽しいかもしれません。
亀井:私も同じです。会話に混ぜてもらったうえで、だんだんとご飯の話題にしていきますね。あとは「2人で同じもの食べてみようよ!」など、ゲーム感覚で楽しく食べられる工夫をしたりします。
\おさえておきたいポイント📝/
✅会話に入ってみる
✅食事に意識を向ける声掛けをする
迷いどころはみな同じ・・投稿が多かった質問ははじめて応援だより10月号でご紹介しています💡
以下はアンケートの中でも投稿が多かった質問です。
- 全て食べさせてほしいとオーダーされたとき、切り上げのタイミングが知りたいです。
- 食が細いお子さまへのすすめ方があれば教えてください。
- 座って食べられないお子さまにどう対応していますか?
- 偏食なお子さんに苦手な物を食べさせたい時はどうしますか?
- 食器や食べ物を投げる時などは、どうしてますか?
- 食事に集中できる環境づくりで工夫していることはありますか?
こちらの回答ははじめて応援だより10月号でご紹介しています!
迷ったら基本に立ち返りましょう
食事に関する考え方はご家庭によって大きく違います。保護者さまにしっかりヒアリングしながら、お子さまの気持ちに寄り添って保育をしていきましょう。
お食事介助に関する基本は保育・サービス研修でもご確認いただけます。ぜひご利用ください。
ポピンズシッター:きょうこ
ポピンズシッターのシッターの皆様のサポートを担当していますきょうこです。シッターの皆様に役立つ情報・お楽しみいただけるコラムをお届けします。
皆さまの「マイページ」の【AIチャット】でも、お悩み相談・質問を受け付けています!
Q1. 保護者さまはお箸での食事をご希望ですが、お箸の持ち方が安定しません。まだお箸は早いと感じた時、保護者さまへ伝えますか?