「育児セラピスト」になるには?:子どもに関わる仕事・働き方辞典
横森さや
近年、育児に関わるお仕事が増えており「育児セラピスト」もそのひとつです。子どもの引きこもりや不登校、コミュ障、ニート化などのニュースが多く聞かれますね。これらは子ども時代の親子関係に原因があるといわれており、それを改善すべく育児に関するお仕事が注目されるようになりました。この記事では、そんな育児セラピストの目指し方や資格についてまとめました。
育児セラピストとは
育児セラピストは、一般社団法人日本アタッチメント育児協会が認定している、育児に関わる民間資格です。
育児セラピストは、一言でいうと「育児の専門家」です。子どもの発達や大人とのアタッチメント(愛着形成)を理解し、学び伝えていくという重要な役割があります。子どもの健やかな成長や育児する上で必要なのは、子どもの発達理解だけではありません。育児の土台となる夫婦関係やコミュニケーションも非常に重要な要因です。
育児セラピストは、保護者さまがつらい時や育児に悩んだ時、的確なアドバイスを行える存在が必要です。それだけではなく、保護者の心理を汲み取り、精神的に安定した状態で子どもと関われるように導くのも育児セラピストのお仕事です。子どもの健康的な成長を目指すとともに、保護者のサポートも重要な役割といえますね。
育児セラピストの資格取得方法
育児セラピストは、発達心理学にもとづいた育児の知識の伝え方に加え、さまざまなストレスを抱えた育児に悩む保護者の寄り添い方や癒し方について学びます。性別や年齢制限、経験の有無など条件はなく、誰でも受験できる資格です。育児セラピストの資格取得までの流れをみていきましょう。
【育児セラピスト資格取得までの流れ】
- 講座申し込み
- 受講料支払い
- 受講(2日間)
- 合否通知・認定申請
- 認定証発行
講座は2日間集中型です。子連れでの参加はできません。講座を修了後認定試験があり、約1ヶ月後に合否通知が郵送されます。合格したら認定申請を行い、2、3週間後に認定証が届きます。
育児セラピストのコースと費用
育児セラピスト講座は3つのコースに分かれています。各コースの概要と費用(税抜)についてお伝えします。
※費用にはテキスト代も含まれます(2019年8月改訂)
育児セラピスト2級(前期過程)
育児セラピスト2級は、0歳から6歳までの発達心理学や心理学にもとづくアタッチメント(愛着形成)について学ぶ、いわゆる基礎編の講座です。日常の生活の中で、アタッチメントを育む具体的な方法(ベビーマッサージなど)について学びます。すぐに育児に活かせる内容で、育児レクチャーとワークを2日間かけて行う講座になっています。
- 受講料 60,000円
- 認定試験料 10,000円
育児セラピスト1級(後期過程)
育児セラピスト2級修了者が対象の講座です。1級の講座では、2級で学んだ基礎知識をもとに、夫婦関係やコミュニケーション、家族の成り立ちなど幅広い内容を学びます。保護者に指導できる「育児セラピスト」の取得が目的の講座で、育児の専門家としての「伝え方」や、相手を癒すスキルが身につく講座になっています。
- 受講料 120,000円
- 認定試験料 10,000円
- 資格認定申請料 20,000円
育児セラピストシニアマスター
育児セラピストシニアマスターは、育児セラピスト1級資格保持者が対象で育児セラピストとしては最上級の資格です。
育児セラピストを育成する指導者になるための資格で、後任セラピストを増やし社会貢献を目指すことを目的としています。育児セラピストのスキルアップのための講座という側面もあります。
- 受講料 150,000円
- 認定試験料 10,000円
- 資格認定申請料 25,000円
育児セラピストに向いているのはこんな人
育児セラピストになるために、特別な条件はありません。しかし、悩みを抱えた親子に向き合う重要なお仕事という点で、誰でも目指せるわけではなく適正があります。育児セラピストに向いている方の特徴をまとめました。
子どもが好き
育児セラピストに向いているといって真っ先にあがるのは、子どもが好きな人です。子どもの発達や関わり方を学ぶ上で、子どもが好きな点は外せません。他のスキルや資格がなくても、子どもが好きなら育児セラピストの資質があるといえるでしょう。
子どもに関わる仕事をしている
保育士やベビーシッター、教員や学童の指導員など子どもに関わる仕事をしている方も育児セラピストに向いています。すでに持っているスキルに、育児セラピストの知識が加われば、まわりからの信頼もさらに厚みを増す効果が期待できます。また、すでに子どもと関わり実践できているのでイメージしやすく、素早く理解できるでしょう。保護者から相談を受けた時も、以前より的確なアドバイスができるようになったという声も聞かれます。
人の話を聞くのが好き
「セラピスト」というように、育児セラピストは相手の話や悩みを聞くことが求められます。話を聞くのが好きな人でないと、相手のことを癒すのは難しいでしょう。育児セラピストは、子どもの発達や対応だけでなく、悩みを抱えた保護者の心理や寄り添い方についても学びます。自分のアドバイスや経験談を伝える前に、まずは相手の話を聞き寄り添える方が育児セラピストに向いているといえます。
育児経験がある
児経験がある方も、育児セラピストに向いています。特別な資格がなくても、育児経験者は先輩ママとして尊敬されやすいものです。また、自身の経験から育児の悩みにも共感することができるため、保護者に寄り添える点も強みですね。育児セラピストの知識を自分の育児に重ねやすいことで、頭にスッと入ってくるでしょう
育児について発信したい人
育児セラピストで学んだ知識やスキルを発信して、社会貢献したい方にも向いています。育児セラピストは、どこかの企業に就くというより、個人で活動することが多いようです。そのため、SNSやインターネットで自由に発信しやすいお仕事といえます。正しい育児の情報を発信することで多くの保護者の役に立てる、という意味で社会貢献したい方にもぴったりといえるでしょう。
育児セラピストの資格が活かせるシーン
育児セラピストの資格を活かすことができるか、気になっている方もいらっしゃるでしょう。育児セラピストの資格取得後は、以下のシーンで活躍されている方が多いようです。
子育て中の家庭
育児セラピストを学ぶ上で得た知識やスキルは、子育て中の家庭で発揮することができます。育児に悩む保護者に、プロの育児セラピストとしてアドバイスするほか、自分の育児に活かすこともできます。妊娠中に資格を取得し、自分の育児に備える方も増えているようです。また、資格取得後はイヤイヤ期の我が子にイライラしなくなった、おおらかにみられるようになった、という保護者の声もありました。
保育現場
育児セラピストの知識やスキルは、保育園などの保育現場でも活かすことができます。子どもの発達や保護者の心理的な部分、関わり方まで学ぶことができるため、保育士さんなどは専門性が高まるでしょう。今まで以上に、同僚や保護者様から信頼されるようになるかもしれません。
子育てサロンなど
育児セラピストの資格は、子育てサロンや子育てに関わる講座などの場でも活かすことができます。保育士さんや子どもに関わる資格保持者と、育児セラピストの資格は相性が良く、育児の専門家として厚い信頼を得られます。そういった方は人気の子育てサロンや講座を開催できるようになるでしょう。ベビーマッサージ教室やベビーアロマ教室などをされている方にも役立ちます。
一方、育児セラピストの資格を持っていれば、子どもに関わる資格を持っていなくても大丈夫です。SNSやインターネットで発信して集客することもできますし、やり方次第で活躍の場を広げることができますよ。
子育てに関わる仕事なら、ベビーシッターもおすすめ
育児セラピストは年齢制限や子育てに関わるスキル、経験がなくても目指せるお仕事です。しかし、育児に悩む保護者が増えている中で、社会貢献につながるやりがいのあるお仕事といえるでしょう。
さらに、子育てに関わる仕事ならベビーシッターもおすすめです。ベビーシッターなら、保育士や子どもに関わるお仕事をされている方はもちろん、子どもが好きなら資格や経験がなくてもすぐに働くことができます。万全なサポートで、ベビーシッター未経験者も安心して働くことができますよ。フルタイムだけでなく、副業として登録することもできます。もちろん育児セラピストの資格も活かせるシーンが多々あることでしょう。
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横森さや
認可保育園で13年働いていた保育士。ベビーシッター、家事代行経験もあり。2児の母でワーママとして頑張るライター。