不適切な保育の当事者にならないために。保育観をアップデートする機会をつくりましょう
ポピンズシッター (旧スマートシッター)【公式】
「保育観」という言葉をご存じですか?
保育観とは、保育をするうえで何を大切にしているか?という価値観のことです。
社会全体で体罰やしつけに対する考え方が変化するなかで、この時代に求められている保育観も日々変化しています。
いま目指すべき保育のあり方を認識しておきましょう。
ふるい保育観とは?
この時代に求められる保育観を認識するためには、ふるい保育観とは何か?を理解する必要があります。
以前は年齢ごとの発達の目安に重点が置かれていましたが、現在、国がガイドラインとして示している保育所保育指針等では、子どもの主体性を尊重することを大切にしています。
「一人ひとりの発達段階や、個性や意思を尊重すること」が現在の保育者に求められているようです。
全国保育士会によると、お子さまへの「『良くない』と考えられるかかわり」は5つあります。
📌お子さま一人ひとりの人格を尊重しないかかわり
📌物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
📌罰を与える・乱暴なかかわり
📌一人ひとりのお子さまの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
📌差別的なかかわり
いくつか具体的に見てみましょう。
人格を尊重しないかかわり
✅保護者さまから離れられないお子さまに「ずっと抱っこしてもらっていると恥ずかしいよ」と言葉をかける。
✅お子さまが描いた作品をみて、「そこ違うよ。もう一枚描いてみる?」とだけ言って、描きなおすように働きかけた。
お子さまが自ら描いた作品を否定するのではなく、お子さまの自由な発想を認めるかかわりをしましょう。
物事を強要するようなかかわり・脅迫的な言葉がけ
✅どなったり、「○○しなさい」との言葉やお子さまが怖がるもの(鬼等)を使ったりして、お子さまを保育者の思いどおりに動かそうとする。
お子さまに恐怖心を与えて、保育者の指示に従わせるのではなく、お子さまが自ら行動できるような言葉がけを心がけましょう。
罰を与える・乱暴なかかわり
✅お子さまを注意する際に、「だめよ!」と言ってお子さまの手を叩く。
叩くという行為は虐待です。また、保育者の「叩く」という行動をお子さまが真似てしまうこともあります。暴力的な行動によって指示に従わせることはやめましょう。
お子さまの育ちや家庭環境を考慮しないかかわり
✅保護者さまを待っているときに「○○ちゃんのお母さん、今日も遅いね」と言う。
お子さまは口には出さなくても、保護者さまの帰りが遅いことに耐えている場合が多くあります。「大丈夫だよ、先生と一緒に待っていようね」等、お子さまの気持ちに寄り添った、温かい言葉がけをしましょう。
✅お子さまの服が汚れている、お風呂に入っていないときに、「また○○君のお母さん忘れたの。いつも忘れて困るね。」や「昨日お風呂に入れてもらわなかったの。」など否定的な言葉がけをする。
お子さまや家庭の置かれている現状はさまざまです。保護者さまを否定されることで、お子さまは自身の存在も否定されている気持ちになります。保護者さまを否定するようなことは、お子さまに対して伝えないようにしましょう。
差別的なかかわり
✅いつまでも泣いている男の子に、「男の子だからいつまでも泣かない」や、乱暴な言葉使いをする女の子に「女の子だからそんな言葉を使ったらいけない」と注意する。
性別を理由に注意することは、差別的なかかわりです。一人ひとりの違いを認め、かかわりましょう。
シッターが保育観をアップデートするために
いかがでしたか?
「こんなことするわけがない!」というものもあれば、「余裕がないとふと言ってしまうかもしれない・・」という項目もあったのではないでしょうか?
保育園で働く保育士と違い、シッターは他の保育者とのふれあいが少なく、自分の保育を振り返る機会が少ないという特徴があります。
研修やポピンズシッターからの発信を通して、自らの保育観をアップデートする機会を作っていきましょう。
そうすることで、お子さまを守り、ご自身を守ることになります。
全国保育士会の保育所・認定こども園等における人権擁護のためのセルフチェックリストでは、上記の項目以外にも不適切なかかわりの一例が掲載されています。
ぜひこの機会に、セルフチェックをしてみましょう。
「恥ずかしい」という表現は、大人の価値観の押しつけになる可能性があります。
たとえば、「お母さんの抱っこって嬉しいね」等、お子さまの気持ちを受け止め、お子さまが好きな遊びに誘うなどして気持ちを切り替えられるよう働きかけると良いでしょう。