はじめて応援だより10月号:「食事介助」のお悩みを解決
ポピンズシッター:きょうこ
10月号では、シッターの皆さまに『食事介助』に関するアンケートを実施。多くの方が悩みを抱えているテーマについて、ベテランシッターお二人にご回答いただきました。
95%が経験。食事介助は必須スキル
今回のアンケートでは77名のシッターにご協力をいただきました。回答いただいた方の半数以上は1年目の方でした。
そんな皆さんに食事介助の経験有無を聞いたところ、95%の方が経験済み。ベビーシッターとして働くうえで食事介助のスキルは必須のようです。
楽しい時間である反面、命に係わる事故につながる可能性もある食事介助。シッターの皆さんの不安を解消し、日々の保育に安心して取り組んでいただけるよう、アンケートで集まった疑問について、ベテランシッターのお二人(根本シッター・亀井シッター)に聞いてみました。
👇お話を伺ったお二人👇
根本シッター
シッター歴4年。プライベートでは3児の母として大忙し。下の子の手が離れ社会復帰したい気持ちになりシッターデビュー。
趣味はウォーキング、友達とランチ。
保護者さまに丁寧にヒアリングをして、ご家庭に寄り添った保育を心がける。
亀井シッター
シッター歴3年。保育園で働き始めたことで保育の奥深さに魅了されシッターデビュー。保育園とのダブルワークから専業シッターに。
趣味は読書のため我が子との絵本タイムを楽しむ。
お子さまの見ている風景を一緒に見て、気持ちを汲み取った保育を心がける。
特に多かった質問7つについてご回答💡
亀井:初めての保育の場合普段どれほど食べているのかが分からないと不安ですよね。保護者さまが近くにいて聞ける状況なら「30分頑張ってみたんですけどこんな感じです。大丈夫そうですか?」と聞いてみるかもしれないです。
根本:そうですね!もし保護者さまが外出している状況であれば、引き渡し時に「いろいろ頑張ってみましたが、半分残してしまいました」とご報告しています。その時に「いつもどれくらいたべますか?」と普段のお食事の様子を聞いてみると、次回以降保育に入るときに安心できるかも。
あとは、食事を始めたときにまだ遊びに意識が集中しているようであれば、一度遊んでからもう1度食事を再開してみるのも効果的です。あまり長くねばっても食べないときは食べないので、この方法は多くても3回ほどで切り上げています。
亀井:なかなか食事に興味がわかない時は、ぬいぐるみをもってきて、ぬいぐるみから声がけをしてみたり、「次何食べてみる?」と選べる楽しさを生む質問なども効果的でした!
\おさえておきたいポイント📝/
✅普段の様子を保護者さまにヒアリングしてみる
✅食の細さなどが気になったら引き渡し時に報告、相談
✅楽しく食べられる声がけ
Q2. 食が細いお子さまへのすすめ方があれば教えてください。
亀井:私の場合、長時間保育の日であれば、保護者さまのご意向を聞いたうえで食事の前にできるだけ外遊びをするようにしています。『空腹は最高の調味料!』といいますが、やはり動いた後はよく食べてよく寝てくれます。
また、自分もお弁当などを持参していて一緒に食べられる状況であれば、「お弁当持ってきたんだけど、何から食べるのがいいと思う?」など食事に興味がいく声がけで食べてくれる子もいました!
根本:食べさせたいと思いすぎるとプレッシャーなので、食事の時間が楽しくなるような声がけをしたいですよね。
私の場合、面談の中で普段の様子を聞くようにしています。どれくらい食べるのか?どれくらいの時間をかけてどのように食べているのか?などもヒアリングするようにします。普段の様子が分からないと私自身が不安なので・・
亀井:私も同じです!保護者さまが用意してくださった食事について会話できるタイミングがあれば、「これくらいなら完食されますか?」など聞いておくと目安が分かるので安心ですよね。
その時に食が細くてあまり食べない、ということであれば「分割してあげても大丈夫ですか?」と聞いてみると、よりご家庭の方針が分かって安心です。
\おさえておきたいポイント📝/
✅面談や引き渡し時に普段のお食事の様子を聞く
✅食事に楽しく興味が行くような声掛けをする
Q3. 食べ終えても、まだ食べたがる時はどうしていますか?自ら取り出して食べてしまうこともあり、判断に悩みます。
亀井:これはあるあるですよね。ただ、保護者さまのご指示がないときに自己判断であげない、というのが鉄則です。なので、勝手に取りだしてきた際には「ママが帰ってきてから聞いてみようね」などと声掛けをして止めています。
根本:そうですね。私の場合、もし保育中にメッセージで聞けるようなら聞いてみています。「まだまだ食べたいようで、キッチンにあるバナナは差し上げても大丈夫ですか?」という感じで。ただ、お忙しい中でメッセージに回答できない場面も多々あると思います。
そんな時は私も「ママに聞いてみようね」と保留にしておいて、引き渡し時にご報告しています。次回保育時にはもっと食べたいとおっしゃった場合の対応も聞いておくと安心です。
\おさえておきたいポイント📝/
✅保護者さまからご指示が合ったもの以外は差し上げないが鉄則
✅次回の保育のために引き渡し時にご報告
Q4. 座って食べられないお子さまにどう対応していますか?ベルトをしてもすり抜けて立ってしまいます。
根本:「危ないから座って食べようね」の声掛けをしますが、それでも座らない子はいますよね(笑)立ったままのお食事は危ないので、その場合は抱っこで食べさせています。
亀井:私も抱っこで対応します。ただ、立ち上がりたい理由があるお子さまも中にはいて。遠くにあるおもちゃをとってそばに置いておきたい、目の前にあるコップが気になる、など。なんで立ち上がりたいのか?が分かれば解決したりするので、一度「何かとりたい?」と聞いて観察してみたりしますね。
特に理由がなく立ち上がりたい場合は、ぬいぐるみを使って話しかけてみたりして食事に興味を向ける努力をします。
\おさえておきたいポイント📝/
✅どうしても立ち上がってしまう場合は抱っこで対応
✅なんで立ち上がりたいのか探ってみる
Q5. 偏食なお子さんに苦手な物を食べさせたい時はどうしますか?口に入れても「べーっ」と出してしまいます。
根本:嫌いなものは大人でも嫌いですもんね・・なかなか難しいですが、お歌を歌って楽しく食べられるように工夫したり。小さくしてお口に運んでみたりします。
ご飯類を食べさせる場合は、小さいおにぎりにして食べさせると食べてくれたりするので、保護者さまにラップをお借りしたりもします。(何度か行ったことがあるご家庭じゃないとお願いしにくいかもですが・・)
亀井:例えばブロッコリーが嫌いなお子さまなら「ブロッコリーがあるけど最初に食べる?それとも最後に食べる?」などの2択にしてみたり。あとは「このブロッコリーどこで生まれたのかな・・ふさふさでかわいいね」などとほめてみたりしています(笑)
もしもそれで食べてくれたら、引き渡し時にはお子さまにも聞こえるように大げさにほめるようにしています。「○○くん、ブロッコリー食べられたんですよ!すごいですよね!?」という具合に。
べーして出してしまう子もいますが、「ご飯が泣いちゃうよ」「(ぬいぐるみを出して)○○にもあげてみよう」などの声掛けをしてみます。
\おさえておきたいポイント📝/
✅食事を楽しめる声掛け
✅食べられたらとにかくほめる!
Q6. 食器や食べ物を投げる時などは、どうしてますか?
根本:投げる時期ってありますよね・・。私はもう発達段階の1つとして、ひたすら笑顔で拾っています(笑)
亀井:そうですよね、「なんでこんなことするんだろう!?」と思ってしまうとつらいので、成長過程に必要な段階として理解しています。
もしも3-4才で言葉や状況が理解できるような年齢なら、食事が終わった後片付けまで一緒にお願いしてみたりします。
あとは、こういった時に私が気を付けていることが1つあって。「保護者さまが叱らないことで注意しない」ということです。食器を投げる、食べ物を手づかみで食べる、などは成長の段階で必要なことと考えて自由にさせている、というご家庭もあります。
引き渡し時に「スプーンを投げるのがお好きみたいで・・いつもどうしてますか?」などと聞いてみて、保護者さまのご対応をヒアリングすると良いと思います。ご家庭の方針に沿って、保護者さまもお子さまも心地よく感じられる保育をすることがシッターの仕事だと考えています。
\おさえておきたいポイント📝/
✅成長過程で通る1つの段階と理解する
✅むやみに注意しない
Q7.食事に集中できる環境づくりで工夫していることはありますか?
根本:食事の時間は事前に決まっていると思うので、遊びの終わり時間を事前に予告します。「ここまで出来たらご飯食べようね」といった感じです。手洗いが好きなお子さまは多いので、手を洗いに行こうと誘ってみると、自然とお食事に移行できることもありますね。
亀井:おなかがすいていることが大切なので、保護者さまから外遊びOKが出ていればご飯の前に外遊びに行くことを心がけています。雨ならマンションの中を散歩してみるのもありです。
あとは普段の生活に合わせることを心がけていますね。なかなか集中できないようなら、「いつもどうやって食べてますか?」と確認をして、その環境に合わせてみます。いつも決まったテレビ番組を観ながらの食事であればそのようにしますし、何もつけずに会話しながらたべてほしいとか、食事時間の方針は本当にご家庭によってバラバラなので。
\おさえておきたいポイント📝/
✅食事の時間の前には体を動かして。手洗いや声掛けでお食事に移行
✅ご家庭の方針に沿った食事時間を提供する
まとめ
食事に関する考え方はご家庭によって大きく違います。保護者さまにしっかりヒアリングしながら、お子さまの気持ちに寄り添って保育をしていきましょう。
最後に、今回のアンケートではこれ以外にも多くのご質問をいただきました。いただいたご質問はまとめて別の記事でご紹介予定です。
アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました!
お食事介助に関する基本は保育・サービス研修でもご確認いただけます。ぜひご利用ください。
今月も「はじめて応援だより」をお届けしました。
長かった今年の夏も、ようやく終わりそうですね。寒暖差が激しい毎日ですが、体調に気を付けてお過ごしください。
はじめて応援だよりに関して、皆様からの感想やご要望などもお待ちしております!ぜひお声をお聞かせください。
ポピンズシッター:きょうこ
ポピンズシッターのシッターの皆様のサポートを担当していますきょうこです。シッターの皆様に役立つ情報・お楽しみいただけるコラムをお届けします。
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Q1.お食事を全て食べさせてほしいとオーダーされたけれど、なかなか進まず大変!切り上げのタイミングが知りたいです。